DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

春のことはじめ: アトロク2聴くの遂にやめた

4月新年度スタートの節目を間近にして新たなチャレンジを構想しつつも、その一方で断捨離よろしくやめてしまう習慣もある。私がこの春で卒業を決めたのはアトロク・リスナーを続けることだった。

前身番組のウィークエンド・シャッフル時代からだとかれこれ10年近くリスナーで、長年お気に入り番組の一つではあった。しかし昨年10月の番組改編以降自分の中では急速につまらなくなりほとんど刺さる要素がなくなったように感じてモヤッていた。よく考えたらその一番の理由は曜日別パートナー制だなと気づいた。

www.tbsradio.jp

率直に言って各曜日パートナーを底が浅い薄っぺらな若手局アナ(といってももはや中堅どころだが)に担わせるのは無理があり、アトロク2になってからその無理さ加減が露呈したという印象がある。言っちゃ悪いがその辺の20代30代サラリーマン相手に喋ってるようなもんであり面白かろうはずがない。

ただ台所事情の厳しいラジオ局のこと、曜日パートナーをいきなり全部局アナから文化人枠に変えるなどという構成はご予算上受容できないことなど想像に難くない。いっそのことパートナーなんてやめてしまってウィークエンド・シャッフル時代と同じフォーマットに戻してもらった方がいいのに、とさえグズグズ感想を抱いておったがまぁすぐには改まりそうにない。であれば聴くのをやめたらいい。

ちなみに現行パートナーの中でただ1名宇垣美里だけ今は局アナでないもののかつてはTBSアナウンサーだったので本質は何も変わらない。しかもこの唯一の非局アナ宇垣美里は個人的生理的にどうにも聴いてられないパートナーだからまったく始末に負えない(すいません、完全に個人の好みです)。アトロク2に再編後宇垣美里を残留させた理由が自分にはまったくわからなかったほど。

閑話休題。曜日パートナーの問題もさることながら、やはり肝心のコンテンツがマンネリ化、ニッチ化してもうついていけなくなったという困惑もある。ジャンル別に苦言を呈せば、

  • 映画評の対象作品はガチャでランダムに選ぶ方式はもうやめて宇多丸さんが観たいと思う作品を自由に選んだらいい。serendipityを期待してガチャにしている趣旨は理解はできるがつまらない作品や興味が薄い作品が当たるとさすがにゲンナリ
  • 音楽は hip hop とK-popへの偏りがますます顕著で正直自分には無理。高橋芳朗の月刊コメンタリーもこの2種に偏重気味でいささか食傷。流行ってるんだから取り上げているまで、と言われれば否定しようはないが。
  • 読書案内については、コミック、小説等フィクション特に海外文学翻訳ものが目立つ一方でノンフィクションがとても少ない。特にコミックが多過ぎる。
  • 異論はない。異論はないのだがLGBTQとかジェンダーを強く押し出した特集はあまり積極的に聴こうというスタンスにはなり難くなっていった。啓蒙効果は十分認めるが。

まぁこれ以上愚痴るのはやめとこう。

昔はウィークエンド・シャッフルが重要かつ唯一の映画情報取得源だった時期もあったのだが、今や映画評論家含めてYouTuber隆盛の時代になり、宇多丸さん映画評もかなり相対化されて自分の中での重要度は大きく下がっているのでリスナーやめても別に後腐れはないだろう、という寂しい結論に至ったのであった。

Adobeの楽曲生成AIツール

テキスト・プロンプトに基づく楽曲生成については他社も色々と試作ツールを出してきてはいるが以下記事で紹介されているAdobeの音楽版Photoshopとでも言うべきプロトタイプは期待値が上がりますね。

www.theverge.com

今のところ実験段階にとどまり一般公開されてはおらず、また将来的にどのようなサービス提供形態となるかはまだまだ未知数のようである。謳い文句通りだとすると編集ツールまで用意されるらしいのでこれはDAW要らずというかあまり音楽に明るくないユーザにとってはかなり強力な助っ人になりうるのではなかろうか。

この種の生成ツールが普及することによってあらゆるシーンで職業音楽家が一斉に不要になるとは全然思わないが、しかし劇伴やビデオ用BGMといった添え物的な音楽に関しては音楽家を雇う必要がほぼなくなる将来の可能性が見えてきているように思う。

MIDIピアノを用いたピアノコンクール?

はてブに上がってた以下の記事で解析結果自体の興味深さもさることながら、これは一体どうやってMIDIデータをキャプチャーしたんだろうか、とふと疑問に。

www.itmedia.co.jp

検索すればすぐ出てきますがどうやらヤマハのDisklavierを活用したとのこと。

www.burgmuller.org

jp.yamaha.com

ピアノ自動演奏装置の存在そのものは自分もすでに知っていたが、演奏データをMIDIソングデータとして保存する機能は知らなかったですね。よくこんな仕組みを思いつくもんだなと感嘆するばかり。

Disklavierの仕組みの詳細はヤマハの公式動画でも紹介されているので参考までに。

www.youtube.com

www.youtube.com

Studio One Pro版アップグレード半額キャンペーン

私は2年以上前に Studio One のArtist版を入れたっきり全然アップグレードも何もしていなかったのだが、先ごろ日本の代理店ではなく本家PreSonusより2月末まで有効のPro版アップグレード半額キャンペーンの案内メールを受信。

daw-jones.hatenablog.com

半額につき¥19,800ポッキリとある意味激安なため思わず衝動買いしそうになったのだが、熟慮の上で思い止まった次第。セールは安いというただそれだけの理由で脊髄反射的にポチッとやりかねないので皆さんも気をつけてください(苦笑)。

昨今のDAWは対象ユーザ層や用途に応じて複数エディションを用意しているのが普通だが、私のような趣味アマチュア・ユーザにとって最上位版は往々にして過剰スペックであることが多い。今回のPro版アップグレードを見送った理由も正にそれで、自分にとっては下図に掲げられた紹介機能のほぼ全てが無用の長物に写ったからだ。

唯一音源類の充実は魅力を感じもするが、しかしループ素材をてんこ盛りで備えても検索が追いつかずに実はほとんど使いこなせないということが経験上わかっているので、これとて正直ありがた迷惑なおまけに過ぎない。Melodyneもボーカル入力やらない自分にとっては white elephant だ。

それと金額的にはArtist版の初期導入費用(当時税込¥10,600)と合わせるとトータルで¥30,400となり、これは奇しくも現在の Logic Pro X の価格¥30,000(円安で2年前より¥6,000値上げになっている)とほぼ同額である*1。機能面でも Logic Pro X とほぼ同等。ただ、大きく異なるのは Studio One の場合はアップグレードという名の無限お布施を強いられるが Logic Pro X は無償更新を受けられる、という点である。どちらが有利かは言わずもがな。

*1:厳密には Studio One Artist版導入費用は埋没原価になるので投資比較としては Studio One Proアップグレード ¥19,800 vs  Logic Pro X 新規導入 ¥30,000 となるが。

TOEICアップデート間近か

私自身は無謀な一発受験でたまたまスコア800越えて一応の目標はクリアしたのでもうTOEIC受験するつもりはないのですが、他の受験生の方々にheadsup情報を共有しておこうかと思います。

以下の動画で紹介されていますが、来る3月2日にIIBC主催でオンライン検証試験というのを抽選募集の上で実施するようでして、これはそう遠くない将来の試験改編の先駆け、予兆であろうという指摘です。

www.youtube.com

この検証試験の案内は実は私宛てにも2月2日に届いていましたが、全然興味がなかったのでゴミ箱行きになっていました。Amazonギフト券5,000円分が謝礼で貰えるためちょっとしたバイト感覚ですが、3時間の休憩があるとはいえ9:30amから4:30pmの長時間拘束にしては割に合わないなと思って敬遠してます。

昨今難化傾向が目立つTOEICですが、今以上にレベルが上がったり出題形式がガラリと変更になったりといった改編は十分考えられるので、まだチャレンジ中の方は今のうちに目標到達を目指した方がいいですね。新試験実施までのスパンは約2年程度が見込まれるようです。

謹賀新年: 楽典のススメなど

2、3年ぶりだろうか、個人的なドタバタもなく落ち着いた心穏やかな元旦を迎えられて久々に年始のブログ更新である。

さて昨年末に一通り読了した楽典教科書がとても参考になったので年の始めにご紹介、といってもこれは定番中の定番教科書なので今更感はありますが。

1級実技含めてMIDI検定の学習補助教材としても有用と思うので推奨します。ただし、学習者によっては音程や音階、調判定などについては独習が難しい部分もあるかと想定するため、先生の指導を受けていない場合は例えば以下のYouTube講義を同時に視聴すると理解が進むと思います(こちらも非常に参考になりました)。

www.youtube.com

私の場合、ただ単に今年の目標にしている和声学習の前準備と基礎固めとして楽典をおさらいした経緯があります。なので巻末の問題演習は省略しましたが、音大受験生は問題演習まで全部マスターする必要があるでしょう。

daw-jones.hatenablog.com

あと、この教科書はなぜか非和声音については割愛されてしまっているようなので、必要であれば別の教材で補足しなければなりません。

www.phonim.com

ちなみに音大受験生用に特化した教科書としては以下のテキストの方が相応しいかもしれません。

今年はこんな感じでお勉強もいいのですが、久しぶりに制作も再開したいのが切なる希望というか New Year's resolution。DAWに関しては 2年少し前に Studio One 5.4 の Artist 版を入れて以来ほとんど触ってなくて、その間 Studio One はすでにバージョン 6 に上がってるし値上げもするし、Logic Pro X とて円安の影響で値上がりして¥30kになるわで置いてけぼりくらってる状態ですが、今年はもうちょっと創作意欲をもり立てるようにしたい。

TOEIC受験の感想など

あっという間に2023年も今日にて終わろうとしている今、ちょうどMIDI検定2級2次試験の練習曲制作宴たけなわという時期かと思いますが、実はMIDI検定ではなくてTOEICについて一言触れて年の締め括りとしたい。

去る12月10日の午後(第341回)、実に20年ぶり(!!) に気まぐれから変な気起こしてTOEICを受けてみた。しかもあろうことかなんとも無謀なことに事前の受験対策も何もせずぶっつけ本番の素の状態でチャレンジしたのです。ぎりぎり公式サイトのサンプル問題だけは受験前日にやってみてはいたのですが馬鹿みたいに簡単だったのでこりゃ楽勝だと舐め腐っておりました。

そしたら20年前とは別物級に激ムズなレベルに進化しており、リスニングは音声がこもっていてよく聞き取れないところが多かったせいもあって大苦戦、得意のリーディングは問題量多過ぎて最後の4問解答できずに時間切れとなってしまい、試験終了後はしばし放心状態。見事に玉砕して900点どころか800点切ってるのではないかと打ちのめされて観念しておりました。

26日の結果公表で蓋開けてみれば870点(L=390/R=480)だったので一応は上級レベルの及第点スレスレ、ひとまず胸を撫で下ろしたものの、とにかくリスニングは惨憺たる出来具合で改善の余地ありということは認める。そうなんです、もはや20年前とは別物なんです(当時はとても簡単だったので960点取れてました)。

受験後に(いやいや、普通は受験前に対策打つだろとのツッコミはさておき)色々と情報漁ってみたのですが、最近では2016年と今年2023年に入ったあたりで一気に難化したとのこと。背景としては、皆が受験対策必死でやるもんだから必然的に出題者とのイタチごっこで難化に歯止めが掛からないという事情のようです。英検なども同様の傾向らしいです。

www.youtube.com

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もう明らかなんですが結局受験対策という名の攻略法ありきなんですよ、これ。それでこのゲーム、いやTOEIC攻略をめぐってあの手この手で一大英語受験ビジネス産業が盛り上がってるというのが今日の英語教育界隈の姿です。悲しいかな日本人の英語は受験英語に過剰適応しているがあまりに使えないといった皮肉な現実も垣間見える。

一つの(あくまで一つの)到達目標にはなるのでTOEICや英検を全否定するつもりはないですが、例えばTOEICならひとまず800点到達したら何度も再受験する必要はないんじゃないかろうか。YouTube見てたら受験対策に磨きをかけて900点クリアとか満点取るとか目指す向きもあるけど正直一抹の虚しさを感じる。だって実際の英語のfluency向上とはほとんど関係ないからね。英語含めて別のことやった方がいいと思うわ。

語学は底なし沼でキリがないので私自身は仕事道具と割り切って付き合う程度にとどめてる。所詮ネイティブではないので絶対にパーフェクトにはならないしそれで問題ないと思ってます。人生短い中で他にやりたいこともたくさんあるわけなので、あんまりTOEIC道に血道を上げるのは時間が勿体無い気はします(異論は認める)。

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上に貼ったAbema討論番組では今はどちらかと言うと茂木さんの議論に肩入れしたくなります。

語学と言えば、今年読んだ本の中で抜群に面白かった高野秀行氏の著作を紹介して新年を迎えようと思います。