DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

重複ノートの除去 (Studio One)

ピアノロール編集画面でMIDIノートを編集している際、同一ノートのデータを二重に入れて重なった状態のまま気づかないでいることがごく稀に発生する。

いわゆる鉛筆ツールは二重入力を許容しないため、入力モードでの作業中には遭遇しないが、修正モード下で和音構成ノートのピッチを部分的にずらして修正したりする場合に時々やらかすことがある。特にこれはデュレーションが同じノートであるため、重なってしまうと目視ではまったく発見できず非常に厄介である*1

幸い、Studio One ではこのような二重ノートを除去するユーティリティ機能が備わっていて大いに助かる。具体的には、怪しいと思われる領域のノートをすべて選択した状態で Action メニューから "Delete Double Notes" を選択実行するだけである。

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二重ノートは、MIDI検定実技試験では確実に減点対象になるから、そのまま放置はできない。といっても、和音の編集等特殊なケース以外ではまず発生しないとは思う。しかし一応念のため、MIDIイベントごとに全ノートを選択して "Delete Double Notes" でお掃除しておくことはお勧めである。

*1:私は Studio One で書き出したSMFをDominoで編集中に偶然発見したことがあった。

MIDI検定2級2次練習曲(2018年2月期)レビュー (1)

以下記事の続きになるが、制作演習をやりつつ各練習曲の勘所や要注意点などを各曲1回ずつ、計4回に分けて簡単に抽出しておきたい。本番課題曲の主だった題材が浮かび上がってくるかもしれない。

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練習曲No.1

練習曲No.1スコア(PDF)

4曲中もっとも標準的なレベルの楽曲ではないかと思う。先走ってすでに1級課題曲演習をある程度経験した身からすればかなり簡単な印象を受けるほどだが、逆に本曲を難しいと感じるようであればまだ実践練習が足りない証左である。

臨時記号ナチュラル多用

楽曲の調性は A maj である一方で、ナチュラ臨時記号がやたらに多い。臨時記号の小節内有効ルールを忘れないように気をつける。

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コントロール・チェンジ

コントロール・チェンジは定番の CC#1 Modulation のみ。特に難しくはないが、次のノート発音前にゼロに戻すことを忘れぬようにする。

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ピッチベンド・チェンジ

ピッチベンドを使った表現は3種類あり、どれも定番。(2)と(3)の考え方や手法は基本的に同じと言える。

(1) スクープ

ノート発音直前にベンドを入れる点が要注意ポイントだが、常識の範囲であろう。ベンドレンジが"2"であることを前提として目一杯倒してからゼロに戻すパターン。

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(2) ベースのハンマリングオン

ベースのハンマリングオンは2級では定番中の定番。1次試験のイベントリスト問題でもよく出されるので、お馴染みの表現手段である。ピッチベンドをいきなり目標値まで一気に上げ、一定デュレーション後にゼロに戻す。この上げるタイミングが肝となる(譜面の音符通りにする)。なお、ベースだけベンドレンジを"12"に設定する指示がある点は要注意。

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(3) ポルタメント

基底となる一つのノートを入力し、ピッチベンドでスムーズな半音階を表現する。下例ではG4ノートを一旦4分音符として入れておき、上記ハンマリングオンと同様のやり方で1半音分のピッチベンド・チェンジを加える。4分音符の音価は85%前後で調整しておけばよいであろう。

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Studio One によるMIDIデータ書き出しのおさらい

Studio One 3.5(以下S3)から楽曲中のMIDIデータをファイルに書き出す方法には2種類あり、それぞれ目的と仕様が微妙に異なる。自分でもちょっと紛らわしいので、ここで両者の相違点などをまとめておくとする。特にMIDI検定受験者でS3を制作ツールとして使用する場合は注意が必要と思う。

楽曲全体をSMFとして書き出すケース

楽曲全体のすべてのMIDIデータを、ヘッダーやメタイベント(テンポや拍子、マーカーなど)を含む自己完結的なSMF (Standard MIDI File) として書き出す場合は、メニューから File > Save As に移り、保存ファイル形式としてMIDIファイル(.midファイル)を選んで別名保存する。

詳細については、以下の過去記事の通りである。

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2級と1級を問わず、MIDI検定実技の成果物として提出するSMFは、必ずこちらの方法で書き出す必要がある。DominoなどのMIDIシーケンサーで追加編集する場合であっても、この方法で書き出したファイルであれば、メタイベントに関連する余計な修正手作業が発生しない。

部分的にMIDIデータを書き出すケース

楽曲まるごとではなく、ある特定のMIDIイベントだけ、あるいは特定のトラック(複数可)に絞ったMIDIイベントだけをファイルに書き出す手順は下記の通りである:

  1. 書き出し対象のMIDIイベントをすべて選択状態にする。
  2. メニューから Event > Export Selection に移り*1、保存ファイル形式としてMIDIファイル(.midファイル)を選んで保存する。

これはちょうどオーディオのステム書き出しに相当する利用例で、スニペット(一部分のMIDIデータ)を別のソングあるいは他のDAWにインポートしたいような場合によく使う。私も自主制作ではこちらの操作手順の方が使用頻度が高い。以下の過去記事も一応参考まで。

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なお、楽曲中のMIDIイベントをすべて選択してこの方法で一つのファイルに書き出すことは技術的に可能ではあるが、以下に注意する:

  • 最初に解説した別名保存の場合と違ってメタイベントが一切書き出されない。
  • メタイベントは無視されるが、メタイベント格納用の特殊なトラック0から順にデータを埋めるという奇妙な仕様になっている(バグ臭い?)。すなわち、トラック1のデータは特殊トラック0に書き出し、トラック2はトラック1へ(以下同様)、という具合である。DAW上のインポート/エキスポートではこれでも何ら障害はないが、SMFとしては不完全で、別途マニュアル修正が必要となる。

*1:または右クリックのコンテキスト・メニューから移ってもよい。

MIDI検定1級演習 2013年課題曲 (3) 全体総括その他注意点など

以下記事の続き。一通り制作を終えてみての反省、所感や傾向と対策のようなものを順不同で書いてみたい。そろそろ2級練習曲の演習と準備に取り掛からねばならないため、1級課題曲演習はこれにて一旦終了とする。

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時間配分と入力手順

本曲は難解なだけでなくボリュームも多いため、限られた制作時間で仕上げるプレッシャーは結構きつく、本番で十分な作業時間を捻出できない場合は物理的に対応不可能となるリスクが高い。案の定2013年度1級は合格率が過去最低であったが、楽曲それ自体の難度の高さもさることながら、制作時間不足で途中棄権した受験者も多かったのではないか。本番時は万全を期してまとまった休暇を確保できるよう事前に算段しておく必要があろう*1。1級はほとんどそれで成否が決まってしまうような気がしてならない。

土台となるドラムおよびベースとバッキングのピアノについては、MIDIテクニック上は特に難しいわけではないが、打ち込み自体は想像以上に時間がかかる。リズム・セクションが案外しんどいのは2011年課題曲でも経験済みだが、どうやら昨年2017年課題曲でも同様な傾向が見られたようで、ポピュラー曲が提示されたら運が悪かったと思って諦めるしかない(半分冗談)。年度によって難易度やボリュームに大きなバラツキがあるのは些か承服できないとはいえ、1級は一応プロレベルを謳う以上、何が出されても対応できる基礎力は養っておく必要があるだろう。

ホーン・セクションのユニット構成に対しては、下記記事でも指摘したように、一つを潰した後にそれをトラックごと丸コピして細部修正という手順で対処すればかなり省力化できる。たとえば、4パート構成のトランペットは、トランペット1を先にベロシティや CC#11 Expression 等々含めてすべて完成させ、2以降は1のトラック・データを複写してからピッチの相違などを編集する*2

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スウィング対応について

途中から盛り上がってアップテンポになる "Double Time" のセクションに関しては敢えてスウィングのクオンタイズを適用しなくともよいのではないかと思う。因みに制作規定書には、一般的にテンポが速くなるとスウィング効果はほとんど発現しない、というような解説が書かれている。

これには実は横着したい理由が別にあって、以下記事でも指摘したように、スウィングのクオンタイズを掛けるとノートの重複修正(ノートの末尾と次に来るノートの頭が重なる問題を修正)が膨大に発生し、制作時間が足りなくなるからである。なので、スウィング対応は前半短めの "Easy Swing" のセクション(8分3連スウィング)だけに留めてしまう。

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その代わりに後半のスウィング感はベロシティ編集を中心に対処する。ただし、ベロシティによる "Double Time" のスウィングっぽいノリ表現は正直かなり難しい。個人的にはサックスの速いフレーズがどうしてももたつき気味になる印象をどうにかしたかったが、これを丁寧に編集するのは多大な時間を費やす懸念がある。この辺はジャズをある程度聴き込んでスウィング感を体得していないとどうしても迷いが生じるところである。

ビッグバンドの楽器配置とパン

ビッグバンドにおける各楽器パートのステージ配置は、クラシック・オーケストラ同様に標準的なパターンが決まっているので、各パンポット(定位)はそれを参考にして調整する。ネット上にいくつか資料が上がっているのでどれでもよいが、たとえばWikipediaの記事などを参考にする。

複雑な調性と臨時記号の嵐の中で

調性は Ab maj に始まって、Eb maj から F maj に移行する、といった具合に、途中2回の転調は例年通りではある。しかしなにしろ調性が結構複雑かつ臨時記号がてんこ盛りなので、Studio One に備わっているようなスケール・ガイダンス機能がないとノートミス誘発の可能性が非常に高いだろう。

本曲は途中の転調がちょっと気づきにくいところもあり、譜面にマーキングするなり工夫しておかないと、うっかり調性を間違ったままノートを打ち込んでしまう危ない一面もある。最終的には自分の耳が頼りで、何度も再生確認して違和感のある不協和音などが少しでもあれば譜面と再照合する、といった地道な努力あるのみか。

音色の選択と再生

繰り返しになるが以下別稿の補足。多くの音源では同系統楽器の異なる音色が揃っているので、楽曲のテーマや雰囲気に適合しているかどうか、それぞれ簡単に再生チェックしてマッチするものを選ぶ必要がある。Studio One 付属音源の Presence XT の場合は、ソロと合奏セクションで音色が大きく異なるものがある。特にベロシティの強弱に対してどう音色変化するかは要チェックであろう。

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あと管楽器で注意すべきは、サックス音色のアタック立ち上がりがやや遅いので、トラック・ディレイ機能を使って発音タイミングを若干早めた方がよい(場合がある)ということ。今回のケースでは概ね10〜15msを目処とする。トラック・ディレイについては以下の過去記事を参照。

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譜面PDF化の効果は環境次第

以下記事で2011年課題曲演習の反省材料として譜面のPDF化を挙げた。

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今回実際に試してみたところ、MacBook (Pro) などのノートパソコンの小ぶりなディスプレイではかえって見辛いことが判明した。元の紙媒体スコアのサイズがA3であるから、21もしくは27インチの大型ディスプレイで表示しないと画面に収まり切れず、PDF化はかえって無意味で功を奏さない。できればダブル・ディスプレイ環境が望ましいのだろうが、MIDI検定のためだけにそこまでの投資は無駄に思えるため、とりあえず紙のスコアのままとし、卓上譜面スタンドの購入を検討する。

*1:1級課題曲を3曲チャレンジしてみた結果、最低丸5日は必要というのが私の実感である。むろん制作者の技量次第だが、意外に面倒なSMFの作成まで考えると、上級者でも多めに余裕を見込んでおく必要があると思う。

*2:見た目はほぼ同一フレーズだが最後の1音だけピッチが違うといった嫌らしいパターンが多いのでコピペ編集には細心の注意を払う。

Presence XT音色とGarageBand代替

MIDI検定1級2013年課題曲演習の一環ではあるが、音源音色について補足しておきたい。

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Studio One 内蔵音源である Presence XT は、生楽器音源としては大抵のケースで申し分なく、実際のところMIDI検定1級2016年課題曲や2011年課題曲演習ではほぼ100%それで充足した。アーティキュレーションに絡む補助的な音色を除けば概ね問題なしと言える。また2級2次実技用としては全然支障ないレベルである。

それでもやはり楽曲によっては使いものにならない音色があり、2013年課題曲ではトランペット音色の欠陥が露見したので、ちょっと注意点のようなことを書いておく。

Presence XT トランペット音色の問題点

全体に高音の抜けが悪い

これは Presence XT の他の音色全般にも該当する印象だが、こもっているというか、くすんだ感じが強く、高音の張りが弱い。

このようなトランペット音色は、柔らかい音色を使ったメローなソロ・プレイならともかく、ビッグバンドのようなアタック強めの迫力が欲しい楽曲にはまったく相応しくない。少なくとも2次審査では高い評価を得られないであろう。音色の差は、GarageBand(以下GB)のそれと聴き比べると歴然とすると思う。

ベロシティによる音色変化が非連続的である

これは管楽器系統の中ではどうもトランペットだけの現象のようであるが、ベロシティの値が115を境にして音色が突然変わってしまう。下の領域ではオリジナルのソフトな音色だが、上の領域では強く吹いた時特有の高音が混ざったザラつき気味な音色になる(ややチープで稚拙な印象あり)。

2013年課題曲のようなベロシティの強弱変化に伴うメリハリを多く盛り込んでいる場合、音色がコロコロと突然変わってしまうため、非常に奇異というかコミカルな風にも聴こえて使用に耐えない。

GarageBandによるMIDI再生へ

Studio One のPrime版では外部プラグイン音源も使えずそれ単独ではどうにも解決できないので、MIDIデータをGBに読み込ませ、GBのサウンド・ライブラリ音色による再生を試みる。

実はこれがかなり素晴らしい音色で、あまりの違いにお口あんぐりとなる。ついでにトランペット以外の楽器音色もGBに移行してみたが、格段にリアルで音質が良い。今年のDAWプロ版アップグレードは Logic Pro X で決まりか、と思い込まされた正月であった。

[追記] Presence XT で選択すべきトランペット音色

その後の制作過程で、Presence XT の場合は "Trumpet Section" を選択すればビッグバンド風味に対応できることが判明した。検証不足であったことをお詫びして訂正する。

ただし、GBサウンド・ライブラリの方が迫力があって音質が良いことには変わりなく、より高評価を得るのであれば、GBの音色に差し替えてミックスし直した方がよいとは思う。もちろん、制作時間に余裕がある場合に限られるが。

 

金管楽器とミュート奏法

MIDI検定1級2013年課題曲演習の一環ではあるが、制作一般論としてトランペットなど金管楽器に登場するミュートの譜面解釈や音色対応などについて補足する。

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トランペットのミュートいろいろ

一口にトランペット用のミュートと言っても様々な種類があって音色も微妙に異なる。それらの相違については例えば以下の動画に詳しい。DAW/MIDIユーザとしては、ストレートとカップ、ハーマンの3種類程度を押さえておけば十分だと思う。2013年度課題曲で8小節分だけ切り替わるのはカップ・ミュートである。

www.youtube.com

音色対応の考え方

ミュートの種類に応じた専用音色がある場合はそれを使えば簡単確実だが、そうでない場合は音色パラメータをオートメーションで変化させてシミュレートする方法が一番簡単である。またはエフェクターを使ってもよいと思う。

Studio One 内蔵音源の Presence XT の場合、操作パネルの中の "Filter" にある "Cutoff" を変化させる。たとえば、カップ・ミュートは音をこもった感じにしたいので、高域をカットして音色を変化させる。これは音源の音色パラメータで調節してもよいし、あるいはローパス・フィルターやEQなどのプラグインエフェクターを挿入して対応してもよいだろう。

ストレートもしくはハーマンの場合については、"Muted Trumpet" の音色を適度に編集すればそれらしく再現すると思われる。

補記

トランペットのミュート音色で難しいのは、蓋をしてこもった感じになるだけでなく、同時にブーとかビーとか唸るような割れた音色も混じるところである。上のチュートリアル・ビデオでは "nasal and buzzy" と表現していたが、その"nasal"な感じと"buzzy"な音色のバランスが、ストレートやカップ、あるいはハーマンそれぞれで微妙に違う。

上述のフィルター編集では鼻にかかった"nasal"な感じは出せるが、"buzzy"感は対応できないので、よりリアルにシミュレートするにはストレート・ミュートの専用音色を適度に混ぜて編集した方がよい。たとえば、VSCO2 Trumpet 音色のアーティキュレーションにある "Mute 1" を使ってみる("Mute 2" はハーマン)。

なお、ハーマンは"buzzy"感をより強く前面に押し出した癖のある音色であるせいか、カップ・ミュートを再現する材料としてはあまり相応しくなかろう。Presence XT の "Muted Trumpet" 音色はハーマンに近い印象がある。

オートメーションの具体例

Studio One の最新版では、MIDIのベロシティやコントロール・チェンジ、ピッチベンド・チェンジなどと、その他MIDI以外のオートメーション・パラメータを同列の編集ペイン上で操作できるようにUIがすっきりと改善された。

すなわち、上述の "Cutoff" パラメータを下例のようにベロシティ等々と同じ編集ペインで切り替え編集できる。

SMFへの反映

上記オートメーションの編集結果はMIDIとは無関係なため、書き出すSMFには一切反映されない。

音色変更によるプログラム・チェンジを伴わず、Cutoff Frequency を使った音色エディットをどうしてもSMFに反映させたい場合は、CC#74 Brightness を使う手があるが、これは Studio One では対応できない。したがって、Dominoにバトンタッチして該当箇所にCC#74を挿入する必要がある。しかし2013年度課題曲に限って言えば、1次審査でそこまで要求はされていないようなので、SMFとしては一切無視しても構わないと思う。

なお偶然ではあるが、CC#74は次回2級2次試験用練習曲の一部で題材となっている。これについてはまた追って書くことにしたい。

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金管楽器とポルタメント

MIDI検定1級2013年課題曲演習の一環ではあるが、制作一般論としてトランペットなど金管楽器に登場するポルタメントの譜面解釈とMIDI表現について補足する。

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ポルタメントの表現手段

ポルタメントの表現については、思いつくだけでも以下3つの方法が考えられる:

  1. コントロール・チェンジ(CC)を使う。具体的には、CC#5 (Portamento Time) とCC#65 (Portamento On/Off) を組み合わせて設定する。ただし、音源側でこれらCCに受信対応している必要がある。
  2. ピッチベンド・チェンジでシミュレートする。音源の制約もなく一番簡単。
  3. 明示的に半音階のMIDIノートを入力する。これも音源の機能制約を心配する必要がない。また音階を明確にコントロールしやすい。ただし、やや面倒。

2013年度課題曲の制作規定書によれば、装飾音として明示的にノートを付加する必要があるようなので、このような指定がある場合は上記3の方法を採用することになる。逆に上記1または2の方法で対応すると減点される恐れがある。むろん、自主制作ではピッチベンド・チェンジ対応でもよいと思う。

譜例と解釈法

上記3の方法で半音階を組み込む場合の一例として、2013年度課題曲の制作規定書解説例を取り上げる。

本曲でポルタメントは以下のように波線で表記されている(楽器パートはトランペット):

これを半音階表現で翻訳すると、以下のようになる:

すなわち、概ね8分音符の範囲内で、3ないし4半音分のインターバルを装飾音として付加する。

ポルタメントCCと音源

上記1の方法である、コントロール・チェンジを使った実現手段の可否については、音源側で対応しているか否かに依存する。ポルタメントのパラメータが備わっていたとしてもMIDIのコントロール・チェンジでは受信せず、オートメーションのみで対応している音源が多いのではないかと思う。

Studio One 3.5 Prime版の内蔵音源である Presence XT ではCC#5やCC#65は受信非対応なので(MIDI Controllers の選択項目にない)、上記2または3の方法で実現することになる。

なお、Presence XT の操作パネル右側のグローバル設定項目の中に "Glide" というパラメータがある。モノフォニック・モードでこれをオンにして反応速度を調整すると、音階をスムーズに奏でる効果を得られるが、生楽器音色では非常に微細なもので、ポルタメントとはちょっと違う。