DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

MIDI検定2級実技対策などについて

MIDI検定2級取得のためには、2段階の試験過程を突破する必要がある(同時期でなくともよい)。すなわち、筆記のみの1次試験と、実技主体の2次試験である。1級は実技審査のみなので、MIDI検定試験の中では2級が最も準備負荷が高い山場となっている。

1次試験: 3級の延長に過ぎない

前者の1次試験については、3級試験の延長線上にあり、試験対策も3級のそれを踏襲しておけば問題ないと思われる。端的に言えば、公式ガイドブックの復習・暗記と、過去問演習の2セットで必要十分である。

なお過去問演習は、2012年以降の現行新制度だけだとちょっと物足りないかもしれない。そこで、余力のある人は旧制度問題も参考までにチャレンジしてみる価値はあるだろう。私も3級対策では旧制度問題も含めて解いてみた。ただし、利用にあたっては以下に注意する必要がある:

  • 旧制度問題は、出題範囲がMIDI関連のみであり、新制度に入って重視されるようになったDAWや音響編集・マスタリング、あるいは著作権法等に関する出題は一切ない。逆にMIDI関連の知識問題が現行水準から見るとやや過剰かもしれない(3級もそのような傾向は感じた)。
  • 旧制度問題であってもイベントリスト問題はそっくりそのまま活用できる。
  • 旧制度過去問へのリンクは協会公式サイトのページより削除されているので、基本的に利用は推奨されていない。上記文中リンクはネット検索でたまたま発掘できたものであって、そのうちサーバからページ丸ごと完全に削除される可能性はある。
追記 (2018-11-20)

毎年試験直前期に本記事を閲覧する訪問者が増えるようなので若干の補足と訂正を。

新制度試験も回を重ね、その過去問も数が溜まってきているので、もはや旧制度の過去問にまで遡ってわざわざチャレンジする必要はないと思われる。

厳密にいうとイベントリスト問題についても旧制度と新制度では出題傾向や難易度が少し異なっており、混乱を避けるためには新制度問題のみに集中した方がよい。

2次実技試験: 技術的正確性のみが評価対象

2級2次の実技試験で問われるポイントは、一言で言えば「MIDIデータとオーディオ・ファイル・フォーマットの正確性」に尽きる。逆にこれ以外は一切評価対象となっていない。これは公式ガイドブックの§6.5「MIDI検定2級2次試験の概要とポイント」でも明記されており、芸術評価も加わる1級実技試験とはここが大きく異なる点である。

ということは、煎じ詰めて考えると、極論すればDAWは不要ということになる(あくまで試験対策上の理屈だが)。たとえば、究極のベア・ミニマムな制作環境として、Domino(MIDIシーケンサー)と Audacity(音響ファイル編集ソフト)の2点セットでも要件は満たすことができる。細かいことを付け加えれば、Mac上で Domino によるMIDIファイルの再生音を内部録音するには Soundflower という別のOSSも必要になるのだが、この点は後日詳述する(既に実証済み)。

daw-jones.hatenablog.com

さらにマニアックなことを言えば、楽曲全体のMIDIデータを精確かつ効率良く作成するためには、Domino でもまだ甘いのではないかと想像し、何らかのプログラミング言語によるコーディング打ち込み、およびMIDIファイルへの一括変換作成という手が有効であろう、と妄想を逞しくしている。そこでMMLという必殺技を検討することになるのだが、これについては追って記す。

追記 (2017-12-04)

その後の検討でMMLの利用は取りやめ、Studio One 3.5 Prime版を活用するスタイルに転換したため、以下の関連記事などを参照されたい。なお、UIなどに関する個人的な好みによりDominoで一からMIDIを打ち込むことは敬遠しているが、特に問題がないユーザの場合は、上述の通りDominoとAudacityの組み合わせで2級2次実技は技術的に対応可能であることに変わりはない。

daw-jones.hatenablog.com

追記 (2018-12-09)

さらに追記。DAWに関しては、もしも1級受験まで見据えているのであれば、Logic Pro X または Cubase の導入を勧める。ただし、Cubase (Pro) はお試しで使うには高価なので、自主制作等での重用が見込まれる場合に限られると思う。

別の記事でも何度か書いたのだが、Studio One はMIDIイベントリスト機能がなく、またメーカー特有のメタイベント・データがSMFに書き出されるため、実はMIDI検定での単独使用には適していないことを断っておく。少なくとも初心者向きではない。使用する場合は私が経験したように Domino との併用が必須となる。