DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

やっぱりMMLを援用することに

現在、2014年2月実施分のMIDI検定2級2次試験練習曲を使ってMIDIデータの打ち込み演習中であるが、効率的なデータ作成にあたってはやはりMMLが有益であると判明したので、制作完了前の quick note として忘れぬうちに記しておきたい。

DominoあるいはDAWによるMIDIデータ入力上の問題点

端的に言うと、ピアノロールがよろしくない、ということである。このインターフェースは非常に作業効率が悪い上にノートミスを招きやすい(あくまで楽曲全体のMIDIデータ打ち込みという用途に限った話ではあるが)。ピアノロールの鍵盤が縦表記であるため堪え難いほどに視認性が悪く、特に和音入力の大きな障害ともなっている。

MIDIキーボードという手段ももちろんありだが、キーボード演奏に慣れたユーザでないとミスタッチ入力のリスクが小さくない(特に変化記号の多い調性の場合)。さりとてイベントリストで数値入力するにしても、ノートオン・オフ位置決めのためのtick値の計算と確認は煩雑を極める。そもそもDominoではイベントリストですべてを入力完結できない。

初期データ起こしはMML

以上、ピアノロールとイベントリスト入力の欠点を補った上で、少なくとも初っ端のデータ起こしを迅速かつほぼピッチミスなしで対応する手段としてMMLmml2mid MML/MIDIコンパイラ)は最適である、と再認識した。

詳細については後日書くつもりなので、本稿でシンタックス等を事細かに解説することはとりあえず控えるが、MMLの大きな利点の一つに、調性を指定すれば自動的に該当するノートへ変化記号を付与してくれる機能がある。これのおかげで音程入力ミスをほぼ解消することが可能となる。例えば、2014年2級2次試験練習曲のNo.2における Synth Brass の低音部の入力は、以下のような具合となる:

#timebase 480 ; Tick resolution
#swap<> ; Octave change symbols: < Up, > Down

A BT4,4 ; Beat n1,n2 -> n1/n2
A o4 ; Octave
A t146 ; Tempo
A KIg ; Key signature: Gm
A l8 ; Default note length
A k96 ; Default velocity
A q0 ; No delay against note off

A r2r4r8 e^4 | d4 c4 r d^4^8 | g^4 r c^4 | d4 e4 r d^4^8 |
A g^4^8 c^4^8 | f^4^8 b^4^8 | e^4^8 a^2^4 |
A r d^1^2^4 r4 |
A c4^8 b^4 a-4^1^1

 

セミコロンより右側はコメントなので、前半冒頭の宣言部は何を指定しているか自明であろう。ノート入力は最後の4行のみ、たったこれだけである。イベントリスト入力よりも格段に入力の手間コストが小さい。

一つのやり方としては、このようなMMLファイルを各トラックごとに作成し、mml2midコマンドによりMIDIファイルに変換後、Dominoに読み込んでからデータを複写し、マスター編集用のMIDIファイルへ挿入貼り付けすれば、かなり効率的に完全な楽曲データの作成を進めることができる。

むろん、細々とした技術的なtipsや手順上の注意点などいくつかあるのだが、長くなってしまうので、これらについては後日稿を改めて書くこととしたい。