DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

制作手順: MIDIマスター編集用ファイルの作成

今回より数回に分けて、MIDI検定2級実技用のMIDIデータ・ファイルおよびオーディオ・ファイル制作手順の詳細・勘所を補足し、前日に書いた手順概要を肉付けして行きたい。

daw-jones.hatenablog.com

今日は、手順1および2に該当する「マスター編集ファイルの作成」について。

手順1: テンプレ・ファイルのDomino読み込み

2級2次試験では練習曲の公表と同時にセットアップ用のテンプレMIDIファイルが協会より提供される*1。中身は毎回同一である(ように見受けられる)。実技試験で要請されるシステム・パラメータ類はすべてこのテンプレ・ファイル上で網羅されているのでこれを流用しない手はない。

そこで、本テンプレ・ファイルをDominoに読み込んだ上でマスター編集用のファイルを作成する。MIDIファイルを一旦Dominoに読み込むと、MIDIデータの解釈マクロによりDominoファイル(dmsファイル)へ変換される。読み込み後、楽曲に合わせてシステム・パラメータの調整などを行い、以後はこのマスター・ファイルにすべてのMIDIデータを書き込んでいく。

手順2: パラメータの編集と不要チャネルの削除

コンダクター・データ

楽曲のテンポと拍を編集入力する。数値のセルをダブル・クリックすると編集パネルが開いて当該数値を変更できる。Dominoではその他コメントや調号といったメタデータも挿入できるようだが、特に必要はない。

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システム・エクスクルーシブ・メッセージ

SysExメッセージは、唯一GM2音源オンのメッセージ送信のみ必要である(下図例の通り譜面3ページ目に明記されている)。

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これはチャネル1の冒頭設定データに盛り込まれているので、通常はユーザの方でわざわざ入力する必要はない。具体的には下図下線部がそれに該当する。

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全データ中一番最初に送信するメッセージという位置付けなので、1小節目1拍目のド頭で送信タイミングを取っていることが読めると思う。ここは絶対に変更しないようにする。

このSysExメッセージより下のデータは、チャネル2以下もすべて同様である(ただしドラム・パーカッション専用のチャネル10は若干異なる)。

SysEx以外の設定データ

プログラム・チェンジおよびコントロール・チェンジ関連の設定をする。設定項目は予め限定されているので、それ以外はユーザ側で特に追加する必要はない。Event欄に各パラメータの項目名称が表示されるので、それぞれの意味合いは自明であろう。

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 ここは譜面3ページ目のセットアップ仕様通り、各チャネルごとにパラメータを編集する。項目の種類と並び順はテンプレ・ファイルのそれと完全に照応する。送信タイミングのティック値は変更しないようにする。セットアップデータ指定の一例(抜粋)は下図の通り。

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注意すべきは、40ティック目のパンポット(CC#10)の値である。これについては、Dominoにおける値レンジが-63〜63(中央は"0")であるため、譜面セットアップデータの指定値より64差し引いた値をDominoのイベントリストへ入力する。なお、SMFに書き出した場合は、MIDI仕様通り0〜127のレンジ(中央は"64")に自動変換されるので、互換性の心配はない*2

なお、80ティック目以下5行はピッチベンド・レンジの指定であり、これはそのままにしておく。これに関しては譜面解釈に関する記事として後日稿を改める。また、チャネル10(ドラム・リズム・パート)も上記とは若干異なるところがあるので次回補足する。

不要チャネルの削除

上記テンプレ・ファイルでは16チャンネル分のセットアップ・データが含まれているが、通常の練習曲および課題曲は一部のチャネルしか使用しないので、不要なチャネルは削除する。削除編集した場合のDominoのインターフェースは例えば以下のような感じになる。

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括弧内の表記はGM音色名称で、プログラム・チェンジの値に応じてDominoの定義ファイルから自動的に割り当てられる。

この段階で下地としてのMIDI編集ファイルはひとまず完成であり、あとは各パート(チャネル)の譜面MIDIデータを本ファイルに順次書き足して編集すればよい。以降、これをマスター編集ファイルと呼ぶことにする。

*1:練習曲公表ページ内の「MIDI検定2級2次試験:セットアップデータのテンプレート<SMF>」よりダウンロードする。

*2:念のために書き出したSMFの中身をチェックして確認はした。