MIDI検定1級は1次審査と2次審査があり、このうちMIDIデータの検証評価に絞った1次審査については何をどこまでチェックされるのか、公式ガイドブックや受験案内等では必ずしも明確ではない点も多い。
実は1級発足当初のQ&Aページに、審査基準の詳細につき一問一答で解説されているので、下記リンクにて一度通読確認することを勧める。しかし協会サイトのデザイン・構成が悪いせいか、このような重要な試験情報が1級課題曲の販売ページ内に埋もれていてなかなか気づきにくい状態なのはいかがなものか。
ついでに重要ポイントなどを自分なりにまとめておく。
1次審査の評価対象
1次審査でチェックされるMIDIデータは、各ノートのピッチとタイミングのみである。したがって、ゲートタイムの長さは一切問われない(ノート重複のみ減点対象)。ここは2級2次と大きく異なる。
ということは、基本のゲートタイムはDAW(私の場合は Sudio One 3 Prime)にてざっくり目分量で編集しても一向に問題ないということだ*1。
また、コントロール・チェンジも評価対象外なので、たとえばDAWのオートメーション機能ですべて表現しても全然差し支えないようだが、今後の検証課題である。
提出物CDのフォーマット
成果物を記録したCD2枚のうち1枚は、任意のCDプレイヤーで再生可能なCD-DAフォーマットのオーディオCDでなければならない。2級2次ではデータCDだけなので、勘違いしないように気をつける必要がある。
Q&A #29 によれば、オーディオ記録媒体はデータ用CDではなく音楽用CDが望ましいとのことである。メディアはAmazon等で調達可能である。
私のMac環境ではiTunesを使えば容易に作成可能なはずである。ただし、別途購入の外付け光学ドライブとの相性を含め、何度か書き込み実験をやっておく必要はある。
今となっては冗談かと思うほどに時代遅れな提出形態で、個人的にはクラウドへのアップロード対応を実現してほしいと切に願うところではあるものの、すぐには変更されそうにない。
残る疑問点
公式ガイドブックの p.245 に掲載された2011年課題曲サンプル(スコアの1ページ目)をざっと見て真っ先に浮かんだ疑問は、装飾音の扱いはどうなるのか、ということである。要は、制作規定書に指示があるのかどうか、が焦点となる。
[追記] 装飾音については、案の定制作規定書に特記事項として指示されているようである。下記ページ掲載の最後の補足を参照:
常識的に考えれば、ごく短い音価のノートを直前に追加するか、ピッチベンドで対応する、の2方法あるが、前者の方法であれば1次審査にも関わってくるため神経質にならざるを得ない。もっとも、ドラムの装飾音(いわゆるフラム flam )については、必然的に前者のノート追加法に依らざるを得ないと思われる*2。
制作規定書は各年課題曲セットに添付されて一般には公開されないため、過去の課題曲セットを購入するまでは内容を確認できない。