ダブルベース(コントラバス)の奏法は、弓を使う方法(アルコ)と、弦を指で弾くピチカートの2種類があり、2016年のMIDI検定1級課題曲でも1箇所だけ使い分けが必要である(下記譜例参照)。なお、ダブルベースの楽器自体の解説については下記動画に詳しい。
2016年課題曲では、下記譜例のとおり、2小節だけピチカートのモードになり、その後アルコに戻る。
これはホルンのゲシュトップフト奏法と同じく、MIDI表現の範疇を越えて音源側で対処すべき音色選択の問題である。以下、私が採用した方策の例を述べてみる。
ピチカートについては、 Presence XT の Upright Bass で代用する。Presence XT の他のベース系音色同様にこれはオクターブ下げなくてもよい(記譜通りに発音させる)。なぜなら、既に1オクターブ下げた音色になっているからである。
一方、弓を使った奏法は Presence XT にふさわしい音色が見当たらなかったため、VSCO2音源の Double Bass 音色で差し替えた。この音色は再生時に1オクターブ下げる。
コントラバスについては、実音が記譜よりも1オクターブ低くなる。したがって、SMFとして書き出すMIDIデータはDominoで1オクターブ下げておく必要がある。この点は2級実技での対応と同様になる。
蛇足。上記コントラバスに限らずオーケストラの生楽器については、以下の London Philharmonia Orchestra の楽器解説シリーズが大変勉強になるので参考まで。
追記 (2018-08-26)
よく調べると Presence XT にもアルコ奏法のコントラバスの音色があり、Strings > 8 Basses Legato がそれに相当すると思われる。私は2018年1級試験ではこの音色で対応した。