前回の続き(かなりマニアックです)。
前回記事の最後で触れたように、Magentaの実行環境を構築する方法はいくつか存在するが、私は今回はDockerを使った導入方法を選んだ*1。というのも、これが最も単純明快で、かつ既存環境とのコンフリクト等技術的な罠にはまるリスクが小さいからである。迷っているならばこの方法を推奨したい。
Dockerを使うことによるメリット
Dockerを使えば、Magentaに関わるPython絡みの環境をMac本体の既存環境から完全に分離できるため、導入することによる副作用の心配をしなくて済む。たとえば、新たにPython 2.7系をMac本体に下手に入れると、macOS付属のPython 2.7系と干渉するおそれがあるのだが、Dockerを介したコンテナ環境であればそのような懸念はない。
なので、お手本にするつもりである以下のチュートリアルは、最初の0章(導入章)はスキップして1章からなぞることにする。
Dockerによる導入方法
ラッキーなことに、Magentaの実行環境一式はDockerイメージとしてそのまま落として即利用可能になっている。しかも、本コンテナのダウンロードと起動はdocker
コマンド一発でできる。詳細は以下の記事資料を参照されたい(「Dockerを起動する」の節)。 蛇足ながら、本コンテナのイメージサイズは約2.4GBであり、Magentaの起動環境OSはLinux (Ubuntu 16.04.2 LTS) となっていた。
なお、楽曲生成コマンドは現バージョンでは改訂されていることに注意する。上記記事の「作曲してみる」のところは情報がやや古いため、下記本家サイトの最新解説を参照して再確認した方がよいだろう(melody_rnn_generate
コマンドを使うシンプルな方式に改善されているようである)。当ブログの主眼であるMIDIデータの生成テストについては次回以降に試そうと思う。