DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

MIDI検定1級演習 2013年課題曲 (2) 楽曲構成とMIDI入力の段取りなど

以下記事の続き。

daw-jones.hatenablog.com2013年課題曲は転調とテンポ変更にスイング指定が加わり、また繰り返し記号を伴って少々複雑な構成となっている。2011年課題曲演習と同様の手順ではあるが、あらかじめリハーサル・マークやセーニョ記号その他節目となる箇所をマーキングし、全体の骨格を先に準備しておいた方がその後の制作はスムーズに運ぶ。

daw-jones.hatenablog.com

打ち込み戦略を練る

戦略と言うとちょっと大げさかもしれないが、どのパートから先に着手するか等、効率重視で制作手順の全体方針を作業開始前にざっくり固めておく方がよいと思う。いきなり見境もなく闇雲に打ち込み出すのは後悔の元である(そんなランダムに作る人はいないだろうが...)。

また同時に、特殊な表現や指示記号、その他ミスを誘発しそうな要注意箇所はすべて洗い出して、目印を付けるなどの誤入力防止策を取っておくとよい。

ドラムとベースから着手が無難

各パートの着手順に関しては、土台となるリズム・セクションを先に潰すアプローチが常識的で無難かと思う。むろん、制作者によって楽器類の得手不得手とか好き嫌いがあるだろうから常時というわけではないが、ポピュラー・ジャンルではこれが王道であろう。

具体的には本曲の場合、以下の理由によりドラムとベースを先にやっつけておく方が効率良い。

  • ドラムは1次審査対象外なので、他パートほどは細かい神経を使わず、ある程度は自由奔放にとりあえず潰しておける。ベロシティの微調整は、他パートとのバランスなどを考慮して後から追加編集すればよい。
  • ベース(アップライト・ベース)はほぼ全編にわたって4ビート4分音符の羅列でMIDIノートの打ち込みは非常に容易である。本曲では一番簡単なパートと言える。簡単なものはとりあえず最優先で潰しておく。

なお、本曲のジャズ・ドラムは、ロックやポップスと異なり演奏バリエーションが非常に豊かで、まるで歌うような感じのドラミングが延々と続くため、残念ながらコピペ対処で横着できるような箇所はほとんど無きに等しい。これは面倒臭いながらも1小節ごとに丁寧に打ち込んでいくしかやりようがない。特にアクセントを念頭に置いたベロシティの表現は最も重要な勘所となる。

ドラムとベースの後には、ピアノを先に手掛けておくとよいだろうと思う。本曲のピアノでは装飾音符一箇所を除いて面倒な表現手段が一切なく、音符通りに素直な打ち込みができて比較的容易だからである(和音入力がちょっと苦痛な程度)。ピアノを終了すると、残りはややこしい主役の管楽器パートのみに集中できる。

ユニット構成になっているパートの取り組み方

主役を張るホーン・セクション(サックス、トランペットおよびトロンボーン)は、2ないし4つの同種楽器ごとにユニットを構成する。

同一ユニットでは各楽器(パート)ともほとんどユニゾンもしくはオクターブ違いのフレーズを奏でるので、とりあえずはユニット中のどれか一つを最後まで完全に打ち込んでから、他はそれをトラック丸ごと複製後に相違する細部を編集、という手順が手っ取り早い。

繰り返し記号の解釈とMIDI編集の対処

本曲の繰り返し構造は、以下記事で取り上げられているCoda(コーダ)の解説例とほぼ同一のパターンとなっている。

unisession.com

すなわち、下例(上記記事より引用)のように、ダルセーニョ(本曲では "D.S. al Coda" と記載されているが意味は "D.S." に同じ)に到達したらセーニョ記号に戻り、"To Coda" の指示記号まで演奏し、そこから Coda へ一気にジャンプして最終節まで演奏して終止、という構造になっている。

Studio One で制作する場合、アレンジメント・トラックを使えば、あるセクションをトラック横断的に一挙に丸ごと複写・移動できる。当然ながら繰り返し重複のセクションはアレンジメント・トラックで明確に区切っておくとよい。この辺は他DAWでも同様の機能が備わっていると思う。因みにGarageBandにもアレンジメント・トラック機能は入っている。

制作手順としては、一旦繰り返しなしでスコア上の小節番号通りに入力を完成させ、その後に繰り返し該当部分のアレンジメント・トラックを選択・丸コピしてダルセーニョ・マーカー位置の後ろに挿入してしまえば2度打ちの手間を省ける。