以下記事の続きになるが、制作演習をやりつつ各練習曲の勘所や要注意点などを各曲1回ずつ、計4回に分けて簡単に抽出しておきたい。本番課題曲の主だった題材が浮かび上がってくるかもしれない。
練習曲No.1
4曲中もっとも標準的なレベルの楽曲ではないかと思う。先走ってすでに1級課題曲演習をある程度経験した身からすればかなり簡単な印象を受けるほどだが、逆に本曲を難しいと感じるようであればまだ実践練習が足りない証左である。
臨時記号のナチュラル多用
楽曲の調性は A maj である一方で、ナチュラル臨時記号がやたらに多い。臨時記号の小節内有効ルールを忘れないように気をつける。
コントロール・チェンジ
コントロール・チェンジは定番の CC#1 Modulation のみ。特に難しくはないが、次のノート発音前にゼロに戻すことを忘れぬようにする。
ピッチベンド・チェンジ
ピッチベンドを使った表現は3種類あり、どれも定番。(2)と(3)の考え方や手法は基本的に同じと言える。
(1) スクープ
ノート発音直前にベンドを入れる点が要注意ポイントだが、常識の範囲であろう。ベンドレンジが"2"であることを前提として目一杯倒してからゼロに戻すパターン。
(2) ベースのハンマリングオン
ベースのハンマリングオンは2級では定番中の定番。1次試験のイベントリスト問題でもよく出されるので、お馴染みの表現手段である。ピッチベンドをいきなり目標値まで一気に上げ、一定デュレーション後にゼロに戻す。この上げるタイミングが肝となる(譜面の音符通りにする)。なお、ベースだけベンドレンジを"12"に設定する指示がある点は要注意。
(3) ポルタメント
基底となる一つのノートを入力し、ピッチベンドでスムーズな半音階を表現する。下例ではG4ノートを一旦4分音符として入れておき、上記ハンマリングオンと同様のやり方で1半音分のピッチベンド・チェンジを加える。4分音符の音価は85%前後で調整しておけばよいであろう。