DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

CC#74 Brightness の対応

以下記事の補足ではあるが、コントロール・チェンジ (CC) #74 Brightness (スウィープ表現)の適用方法に関して少し掘り下げてみる。

daw-jones.hatenablog.com

Dominoによる対応方法

右下編集ペインの中から "LPF Cutoff Frequency" を選び、他CC同様に制御直線または曲線を書き込む。書き込み後はイベントリストの該当箇所にコントロール・チェンジの値として"74"が表示されることを確認できる。

注意すべきは、CC#74の左端スケール表示が 0 〜 127 ではなく-64 〜 0 〜 63 に基準化されている点である。したがって、Dominoにおいては譜面の指定値より64を差し引いた値を入れる。これは CC#10 Panpot についても同じ仕様になっている。

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上述のようにデータの上では問題なくCC#74が書き込まれるが、これをDominoで再生したところ、残念ながら特に顕著な音色変化は感じられなかった。DominoというよりもむしろMac内臓GM音源の制約であろう。

補記

DominoではCC#74の再生には対応していない模様である。イベントリスト上でCC#74はカラー表記されないことからもCC#1やCC#11等とは別扱いになっていることがわかる。データ自体は問題なく書き出される。

Studio One での対応方法

Studio One 付属音源である Presence XT での対応について述べる。ただし、以下はすべて機能制約のあるPrime版を前提とする。

上記Dominoで書き込んだCC#74込みのMIDIデータをインポートすると、データとしてそのまま読み込みはするが、受信先がない状態なので特に何も反応はしない。下例で示すように、上のDominoで書いた曲線データをそのまま "Filter Resonance" として読み込んでいることがわかると思う。

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残念なことに、外部インポートされたこのCC#74のデータをモジュレーション・マトリックスの定義設定に直接引用する等の機能はないらしいため、これをそのまま流用する術がない。なお、蛇足ながらGarageBandはCC#74のデータに非対応で、読み込んでも無視して捨てられるようである。

ということは、また別途オートメーション機能を使って、音色の Cutoff Frequency を制御する必要があるが、実はこのやり方は以下の記事で試したトランペットのミュート音シミュレーションとまったく同じ考え方・手法*1であるから繰り返しは避ける。

daw-jones.hatenablog.com

その他の対処法など

制作一般論としては、ローパス・フィルターやパラメトリックEQ等エフェクターのオートメーション調整で対応する方法もある。ただし、審美評価を受けない2級でここまでやる必要があるのかどうかは正直疑問に感じる。

MIDI検定の実技制作上はあくまでデータとして書ければよく、再生段階では必要以上に凝らなくてもよいとは思う。というのも、サンプルMP3の模範演奏を聴いた限りでもCC#74の効果はほとんど判別できないからである*2

補記

対象音色が Lead Synth などスウィープ表現が顕著に出やすい音色である場合は、MIDI検定2級といえども何らかの方法で再生対応した方がよい。オーディオではっきりと聴き取れない場合は減点される可能性がある。

*1:Presence XT の音色パラメータに Filter > Cutoff の項目があり、これをオートメーションで制御する。

*2:音色が Strings であるため、効果は現れにくい。