DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

DTM作曲への道のり: 初心者体験談に思う

ネットで資料を渉猟中に偶然見つけた以下の体験談記事が面白かった:

究極初心者がとりあえず聴けるレベルの曲を作れるようになるまで · GitHub

それにしてもGitHubでこんなDTM絡みの記事は大変珍しい。思わず頷いたり身につまされる話もあったりして、最後まで一気に読んでしまった。後の方には著者なりに咀嚼したコード理論の基本まで書かれているので(ただし3和音のみ)、これからDTMに入門しようとしている人には参考になるかと思う。

私も本格的にDTM/DAWに手を染めてからの約1年をここで振り返りつつ、本記事にかこつけて、何点かツッコミを入れておくとする。

最初のDAW

上述の体験談著者の愛用DAWは結局 FL Studio に落ち着いたようであるが、これはEDMやボカロ系ユーザには結構人気があるという話をよく聞く。打ち込み初心者にも優しいようである。価格は Logic Pro X と概ね同水準で、DAWの中ではかなり安い方だから躊躇せずに買えるとは思う。ただし、パターン概念など他DAWではあまり一般的ではないUI操作がある。

www.image-line.com

もしも無償DAWでとりあえず入門してみたい場合は、本ブログでも度々取り上げてきた以下の3種類が主要な選択肢となる:

  • Studio One Prime版
  • GarageBandMacユーザ限定)
  • Tracktion 6

このうちで初心者でも手っ取り早く楽曲制作できるのは文句なく GarageBand であると断言できる。特にiOS版の演奏機能の豊富さは、その辺の中途半端な有償アプリよりも群を抜く。音色ライブラリも充実していてクオリティが高い。MIDI打ち込みをあまり多用しない初心者ユーザは GarageBand だけでも十分だ。

逆に GarageBand の問題はMIDI打ち込みがしんどい点で、これは Studio One に軍配が上がる。なので、打ち込み主体のユーザは GarageBand と Studio One (Prime) の合わせ技・併用が最善かと思う。私は現状この組み合わせで大きな不満もなく運用している。またこの2つの利用経験があれば、将来的には Logic Pro X や Cubase などへスムーズに移行できるはずである。

Tracktion 6 は自由度が高い分かえって初心者向きではないので、今の私ならばオススメはしない。付属の内臓音源もなく、各種プラグインから別途揃える必要があるため、まったくの初心者はたぶんどこから手を着けてよいやら検討がつかない羽目に陥るだろう。とはいうものの、何を隠そう私が最初に触ったDAWは Tracktion 5 であり、その使用経験を踏まえてのアドバイスである。

コード進行理論と付かず離れず

上記体験談では、コード進行ありきの作曲技法に依存している旨書かれていた。これは私も基本アプローチとしてはほとんど同じである。よほど才能がある人か、もしくは音楽の専門教育を受けた人でない限り、だいたい皆さんここに行き着くと思われる。

ただしこれにも大きな課題があって、どこかで聞いたような凡庸な作品しかできない可能性が高いことであろうか。もっとも、AI作曲ツールが割と本気で充実してきた昨今、この辺の悩みは解消されつつあるように思う。メロディーをAIに作らせるアプローチがお手軽になってきたからだ。

AIほど高尚でなくとも、たとえばiOSGarageBand のコードやスケール機能を援用すれば、ガチガチにコード進行理論に縛られることなくある程度自由にもっともらしい楽曲制作はできてしまう。この辺のツール環境は、10年前に比べれば初心者の敷居がかなり低くなってきたと言える。

ミックス制作の効用

あと蛇足ながら個人的な経験から言えるのでは、いきなりオリジナルの作曲からチャレンジするよりも、リミックス制作の方が案外DTM入門に最適ではないか、ということである。

特に、DAWによるオーディオ編集に早く習熟して経験値を上げられるメリットがある。最初はドラムとベースをアレンジして差し替える程度でもいいと思う。

オリジナル作曲とリミックスの中間形態として、ループ素材を使った楽曲制作というやり方もあり、MIDI打ち込みのハードルが高い初心者には推奨のアプローチである。これは GarageBand を使えば相当楽しむことができる。Studio One Prime版でも数は少ないがある程度のループ素材は揃っている。