今回は一番最後の工程となるWAVファイル書き出しに関して補足しておく。
エフェクト処理とWAVファイル作成
要は、編集完了した楽曲MIDIデータをDominoで再生しつつそれをAudacityで録音し、再生確認の上で問題なければそのままAudacityからWAVファイルに書き出すだけのことである。この操作・作業自体は、以前にまとめたAudacityによる録音とファイル書き出しの記事内容とまったく同じであるので、本稿で再度繰り返すことは避ける。
ただし、WAVに書き出す前に一点だけ追加の編集作業を入れる必要がある。それはコンプレッサーによるエフェクト処理である。というのも、録音された生の状態では、簡単に言うと全体の音量が小さ過ぎてよく聞こえないからである*1。これを補正するために、コンプレッサーを適用する。
といっても操作そのものは非常に簡単で、下図のようにメニューバーから エフェクト > コンプレッサー を選択し、コンプレッサーのパラメータ・パネルを呼び出してそのまま OK を押すだけでよい。
各パラメータは、下図の通り、デフォールト設定のまま適用したとしても、大抵の場合は特に問題ないだろう(少なくとも違和感はない)。ただし、私もまだ練習曲1曲しか実践で確かめていないので、楽曲の曲調やジャンルなどによっては微調整する必要があるかもしれない。これは今後の課題である。なお、コンプレッサーについては後日にもう少し補足したいと思う。
上述のコンプレッサーに加え、好みに応じてイコライザーなどのエフェクト処理を追加適用することも可能ではあるが、2級実技ではエフェクトは評価対象外であるため、あまり凝った編集はやるだけ無駄であろう。そもそも本番ではそこまでの時間的余裕はないと思われる*2。
データCDの書き込み作成
2つの成果物、すなわち制作済みのSMFとWAVファイルは、規定通りにデータCDに焼き、クッション封筒等で梱包郵送する必要がある。WAVファイルもデータファイルとしてそのままCDに複写する(オーディオCD化はしない)。
私のMacにはCD/DVDドライブは内蔵されていないので、適当な外付けドライブ(3,000円前後の安いもので十分)を後日購入し、2、3回程度書き込みテストをする必要があろうかと思う。同様な環境にある受験者は少なくないはずである。
まったく面倒くさいことこの上ないし、全部で5MBに満たないデータサイズなので、例えばクラウド上の各受験者専用アカウントにアップロードさせるか、メール添付で送信させてくれよ、と失笑混じりで文句の一つも言いたいところだが、サーバ維持やセキュリティ対策にリソースを割けない台所事情もあるのだろう。CDに焼いて郵送などという時代錯誤なやり方はしばらく改善されそうにない。
SMFのDAW取り込みと編集
最初からDAWですべてのMIDI打ち込みをやった場合はさることながら、MMLおよびDominoで作成したSMFをDAWに読み込み、内臓GM音源以外の独自音色で演奏した結果をWAVに書き出すという制作方法ももちろん技術的に可能である。
これはMIDI検定2級では特に必要な工程ではないのだが、1級実技では必須と思われるので、いずれサンプル練習曲を使って実践した結果を書き記すこととしたい。私の場合、当面は Tracktion 5 を活用することになる。