MIDI検定2級2次試験演習の続き。今日は、2015年2月期練習曲セットから練習曲No.3を取り上げて分析し、要点を整理する。
この曲は、すでに手掛けた練習曲No.1やNo.2に比べれば易しいと感じられる。8ビートのロック調でリズムはどちらかといえば単調だし、調性もEマイナーで全然複雑ではないから、技量のあるユーザであればキーボード手弾きによるリアルタイム入力も簡単だろうと思う。
シンセ・リードとピッチベンド・コントロール
本パート最大の要所は、ギターのチョーキング(ベンディング)とハンマリング同様の奏法が方々に散らばっている点である。
下図は、ハンマリング表現を応用すべき例(2半音ピッチ上げ)の一つである。ハンマリングはすでにベース奏法として習得済みなので、この種の譜面を見ればすぐにピンと来るが、まったくの初見だとちょっと面食らうかもしれない。
音数の多いシーケンス
ここはひたすら16分音符ノートの連続した打ち込みで、ノートミスの危険が一番高いパートであるとも言える。本番でこの種の課題曲が提示された場合は、間隔を置いて少なくとも2回見直した方がいいかもしれない。もっとも、音感の良いユーザであれば、仮にノートミスがある状態で再生確認した際にはなんらかの違和感を感じるはずである。
本パートは全体にレガートが掛かっているため、最後の1音を除き、ゲートタイムはすべて音価の100%のままとする。
あと注目すべきは、CC#10パンポットの変化表現を伴う点である(私にとっては今回が初出)。譜面ではパンのレンジが [0,127] であるのに対し、Dominoでは [-63, 63] なので要注意だが、実は本曲では単に右左にぐるぐるとオートパンする単純な表現なので、特に値の変換は意識せず、上限値と下限値を行き来すればいいだけである。
ベロシティ
エンディングの8分音符2音はすべてのパートにわたってアクセント記号が付いているので、1ノッチ上げる(16だけ追加)。またドラムについては、練習曲No.2同様に、同一ノートで異なるベロシティの指定があるので注意を要する。
ゲートタイム(デュレーション)
すべてのパートについて、所々でスタッカートが付されている点は要注意である。セオリー通り、ゲートタイムは音価の50%入力とせねばならない。
もう少し嫌らしいのは、ピアノ高音部とベースの一部にテヌートがある点である(音価の100%とする)。これはうっかりすると見落としてしまいそうで、限りなく引っ掛け問題に近い。