Studio One における各MIDIノートのオン/オフ・タイミングと長さの表記方法は、MIDI検定のイベントリスト問題やDominoの表記法と大きく異なるので注意を要する。この読み方については、なぜか肝心のレファレンス・マニュアルには明記されていないようである。
下例に見られるようなドット区切りフォーマットは左から、小節、拍、16分音符単位のサブティック、16分音符未満のティック、という構成になっている。
注意すべきは、一番右側のティック値が0から99の範囲となっていることである。つまり、16分音符が100ティックの分解能であるから、TPQN=400ということになる。これは標準的なTPQN=480という値よりは若干粗いのだが*1、多くの楽曲ではこの程度の差異は実務上問題にはならないであろう。
サブティックの0〜99レンジ指定は、要は他のパラメータ同様にパーセント単位表記を踏襲しているようにも見える。たとえば、ベロシティやコントロール・チェンジの値も0〜127の素の値ではなくパーセント表記(または0〜1の割合表記)なので(下例参照)、これと合わせている節がある。しかし、他のDAWと併用しているか移行して来たユーザはかなり面食らうと思う。
このフォーマットはいわゆるサブティック表記法で、解釈の基本はCubaseと同様である。なお、Cubaseの場合については、公式ガイドブックの§6-3-1「DAWソフト/イベントリストの表記 - イベントリスト表記の違い」pp.212-213 で解説されている。
*1:因みに Tracktion 5 の分解能はTPQN=960である。