DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

MIDI検定1級演習 2011年課題曲 (7) キーボードとグリッサンド

以下記事を踏まえての1級課題曲演習の続き。今回は鍵盤楽器のパートと、特にオルガンで多用されるグリッサンド(glissando)について。

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音色の切り替え

鍵盤楽器のパート2種、すなわち "Keyboard 1" および "Keyboard 2" は共にそれぞれ曲中での音色変更を伴う。具体的には、

  • Keyboard 1: シンセ音色2種類の切り替え。ブラス系とパッド系の2種類。
  • Keyboard 2: シンセ以外の鍵盤楽器2種類の切り替え。オルガンとエレピの2種類。

マルチチャネル音源とそれに対応したDAWを使わない限りは、各音色ごとにトラックを分けざるを得ず、Studio One 3.5 Prime版(以下S3)も非対応例の一つである*1。この場合は若干面倒になるが、トラックを音色別に分けていない統合版SMFを1次審査用に作成し、なおかつ該当小節にプログラム・チェンジを挿入する必要がある。これについては後日まとめる。

因みに、今回S3で私が使った音色は以下の通りである*2:

  • シンセブラス = Synths > P5 Brass: 名機 Prophet 5 の分厚いブラス
  • シンセパッド = Synths > Wormy
  • オルガン = Keyboards > Rock Organ
  • エレピ = Keyboards > Electric Piano

グリッサンド

グリッサンドの一般的なMIDI表現手法については、2016年度課題曲演習の一環で以下の過去記事にて書き記した通りである。

daw-jones.hatenablog.com

今回の2011年度課題曲の場合は鍵盤楽器で適用されので、ピッチベンドではなく32分音符を適当な数だけ半音階で並べる手法を採る。これは言うまでもなく鍵盤を手でダラァーっと撫でる奏法に該当する。

制作規定書によれば、グリッサンドを入れるタイミングとその長さについては1次審査の対象外なので、聴いて違和感なければ必要以上に編集に凝らなくてもよい。要は費用対効果をよく考える。

また、32分音符はそれ自体が非常に短い長さであるから、ゲートタイムは音価100%のまま無調整でも問題ない(ということに気づく)。この点は装飾音符も同様の扱いでよかろう。

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上例の通り、クオンタイズを32分音符刻みに設定し、適当なタイミングとスパンで半音階をなぞるようにポチポチと埋めていくだけの編集である。

もっとリアルさを追求するのであれば、例えばベロシティは漸増または漸減するように編集すべきだろうが、実際に聴いても違いは期待するほど明確にならないことが多いので、主音よりもやや小さめの値で統一しておいて全然問題ないと思う。これは他のMIDI表現でも言えることだが、実際に聴いてみて効果がないものは細部にまでこだわる必要はない。特に1級実技試験は制作時間の制約が厳しいため、なおさらそうだと言える。

*1:そもそもプラグイン非対応であることと、内蔵音源の Presence XT がマルチチャネル音源ではないことから。

*2:いずれも Presence XT 付属のエフェクト機能などで適度に音色は編集。万一 Presence XT にそれらしい音色が見当たらない時は、MIDIデータをエクスポートして Tracktion 6 側での編集を要するが、これは手間がかかるのであくまで最終手段である。