DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

BandLabを試してみる

W3Cの Web Audio/MIDI API 仕様の普及により、いわゆるブラウザーDTMを提供する各種サービスが花盛りだが、そのうちの一つである BandLab を試してみたので備忘録がてらに感想などを書いておきたい。

ちなみにBandLab社は、Gibsonから Cakewalk を買収して事業継承したシンガポールの会社である。

www.dtmstation.com

本サービスは、現時点でDAW編集機能を使うためにはブラウザーとして Chrome が必要となる。DAW以外については他ブラウザーでもアクセスは可能である。

sleepfreaks-dtm.com

ソーシャル機能が主眼

BandLab含め、この種のウェブ版DAWはほぼ例外なくソーシャル機能(楽曲共有やコラボレーション支援など)を組み合わせることが常套手段となっている。あえて極論すれば、ブラウザー上のDAWは販促提灯のようなもので、ビジネスの成否はあくまでソーシャルの側面たるユーザ・コミュニティがどれだけ盛り上がるかにかかっているとも言える。逆にソーシャル機能を必要としないユーザは、素直に GarageBand などを使った方が高度な創作ができると思う。

競合サービスとしては、以前取り上げたこともある Soundtrap が代表的なところである。正直言ってDAWの機能としては Soundtrap の方が充実しているように思う。ただし、Soundtrap はプロ寄りで、無償プランだと使用できる音源やエフェクトなどに大きな制約があり、やや敷居が高い。その点、BandLab は付属のループ素材なども(今のところ)全部無料公開しており太っ腹である。初心者がお試しするなら BandLab の方が優しい・易しいかもしれない。

daw-jones.hatenablog.com

ウェブDAWの機能的な注意点など

上述の通り、有効活用の目玉はコミュニティ活動と言えるため、ブラウザー駆動のDAWにデスクトップ並みのあまり多くの機能を期待しても仕方がないことは承知だが、いくつか気づいた点などを記しておく。

MIDI打ち込みはしんどい

MIDI編集機能はあるものの荒削りであまり使い勝手が良いとは言えない。この機能を使うのは現実的ではないので、本サービス外で作成したMIDIデータをインポートする方が手っ取り早いと思われる。

ループ素材は充実

ループ素材はリズム系中心にそこそこ豊富だが、シンセフレーズ系はちょっと少ない印象を受ける。ただし上述の通り、全部無料で制限なしに使える点はよい。おそらく今後さらに充実する可能性はある。

現時点では、テンポの自動調整はできるが、トランスポーズできないので加工の柔軟性は欠ける。したがって、フレーズものはあらかじめキーが合致するものを選んで組み合わせる必要がある。この辺のキー・マッチングは面倒臭いので、その必要がないリズム構築の試作にふさわしいかもしれない。

各ループ素材はそのままWAVファイルでローカルに落とすことができる。しかし、音質は 44.1kHz/16bit なので、手持ちのDAWで追加編集や加工するにはちょっと粗いのが難点である。

CPUを大消費

ブラウザーDAWの常なのだろうが、CPUパワーを非常に食うため、非力なノートPCだと正直苦しいだろう。デスクトップ版DAWに対する不利な欠点の一つとも言える。驚くほど軽快な Studio One に慣れている身としては許容の範囲を超える。

結論

コミュニティは盛り上がっている方のようだから、ソーシャル機能を追求したいユーザであれば試す価値はあると思う。Soundtrap などと比較検討すればよいだろう。ソーシャル機能は特に必要ないユーザは、それこそ GarageBand で十分だと思う。