本年度MIDI検定1級の本番に重なったせいもあり、T6からT7へアップグレードしてから大して触らぬまま1ヶ月程度間が空いてしまったが、先日に新機能の概要をざっと把握する機会を得たので備忘録がてら簡単にまとめておこうと思う。
なお、T7の新機能や改善点の全容に関しては、以下の公式チュートリアル動画リストで網羅されているので、英語に抵抗がない人は参考にされたい。有償版は約2年前にリリースされているので簡単な機能紹介記事などはネット上にたくさん転がっているが、下記公式チュートリアルさえ見ておけば理解十分だろうと思う。
この中から特に個人的な注目機能としては、以下の2つに絞られる。
Clip Layer FX
オーディオ・クリップ単位の編集において、エフェクトやピッチ修正、オーディオ・ベンド編集(Tracktionでは"Warp Time"と呼ぶ)などを複数重ねて適用できるようになった。これはかなり強力な機能で、特許出願中とのことである。
Warp Time を含め、個別の編集機能の多くはT6でもすでに備わってはいたが、それらを重層的に合成できるようになったので、いろいろとユニークな加工編集ができると思われる。ただし、あまりやり過ぎるとちょっと修正を加えるだけでもCPUがフル回転する羽目になる。
因みに、"Warp Time"と同様のタイミング補正機能は Studio One Pro版にも搭載されているが、残念ながらPrime版では利用できない。意外なことに、GarageBand には同様の機能が入っている(知らない人は多いかも)。また、オーディオ・クリップ(イベント)単位のエフェクト (FX) 適用についても Studio One のPrime版では割愛されている。
LFO Modifier
トラックのボリューム/パンや、その他エフェクトのパラメータに対して、サイン波やノコギリ波等のプリセット波形を適用して自動制御する機能である。一般的なオートメーションの拡張機能といってよいだろう。UIが優れていて直感的に操作しやすい。
これは Studio One で言えば、内蔵音源 Presence XT におけるモジュレーション・マトリックスの定義設定に該当すると思う。Presence XT ではLFOは2器搭載でサイン波などの波形も選択できるようになっているが、モジュレーション・マトリックスはやや使い勝手が悪い (daunting) 印象がある。