DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

通信カラオケのデータ制作現場とMIDI

DTMステーション」で通信カラオケのデータ制作大手であるシーミュージック社の取材記事が掲載されており、とても興味深い内容である。

www.dtmstation.com

通信カラオケではリクエストごとにカラオケ配信会社からMIDIデータをダウンロードして現場のGMハード音源を鳴らす、という基本的な仕組みは知っていたが、近年は高品質なソフト音源の使用やオーディオ配信も徐々に増加しているとのこと。

オーディオに比べればMIDIデータ(SMF)は格段に容量が小さいので、回線が低速であった時代には重宝したと思うが、ブロードバンドの現在において圧縮されたオーディオ・ファイルの送信はほぼ一瞬であるから、音質面を考慮するとMIDIデータ打ち込みによるカラオケ再現がいつまで続くかはやや疑問も感じる。

というのも、「よく歌われる曲やクオリティを求められる楽曲は、オーディオ版も作って差し替えていく必要がある」ということであれば、レコード会社またはプロダクションからボーカル抜きの演奏オーディオ・ファイル(ステム・ファイル)を提供してもらった方が効率良いのではないかと思われるがどうだろう*1。仮にボーカル抜きのバックトラックを貰えなくても、ボーカルだけ除去する専用ソフトを使うなどして割と簡便にオーディオ編集できる時代である。こういった状況を踏まえると、データ制作現場には悪いが素人ながら何かとても無駄なことをやっている印象がなくはない。

ところで、データ制作現場では Digital Performer が大活躍で、打ち込み職人の方々から高評価を得ているようである。イベントリストを使って自由自在に数値編集もできるらしいから、今後MIDI検定の実技試験受験を考えている人は打ち込み用DAWの候補として検討に値するのではないかと思う。

*1:もちろん原盤権の問題があるので権利関係はそれ相応に対処する必要があるが、有線放送やラジオ放送その他ストリーミングとそう変わらないはずである。