DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

DAW国内シェア推計調査

昨年12月月間に実施された「DTMステーション」によるDAW国内シェア推計調査の最新結果が公表され、大変興味深い。個人的には半ば予想通りというか、さほど意外性がないように思える側面もある。

www.dtmstation.com

Studio One シェア拡大の最大要因は、上記記事中で「Studio OneとAbilityで共通して言えるのは、SONARからの移行組をうまく捕まえて伸びた、という点でしょう」と指摘されているように、旧SONARユーザの獲得で漁夫の利を得たことにあるのは明白である。ただし、Cubase 猛追というのは個人的な直感では実態以上に誇張されている印象がある。YAMAHA傘下ということも考慮すれば、Cubase はたぶん実際には本調査以上のシャアを持っているであろうと想像する。

一方私が全然知らなかったのは、海外と比較した場合の Ableton LiveFL Studio の国内シェアの低さである(あくまでアンケート推計ですが):

国内にいる外国人の方々や海外にいる日本人の方々から、TwitterFacebookで多く指摘されたのは、「日本はAbleton Liveのシェアが信じられないほど低い!」、「なんでFL Studioのシェアがこんなに低いんだ?」といったこと。確かに、海外の調査結果などを見ると、Ableton LiveFL Studioはかなりシェアが高いようですから、日本のDTM環境はやや特殊なのかもしれませんね。 

これは海外市場と比べての音楽志向の違いが多分に影響している可能性があるかもしれないが、やはり販売面含めての日本語サポートの有無が大きな一因ではないかと思われる。

その他顕著なところでは、Logic Pro X の安定したシェア推移はMacユーザにとっては安心材料と言えるだろう。選定に迷っているMacユーザが最初に選ぶべき上位DAWとしては私も個人的には Logic Pro X をオススメする(GarageBandからの移行が容易で一番無難と言える)。

あと、上記記事中でも指摘されているように、Pro Tools と Digital Performer はもはや業務用ソフトという位置付けがはっきりしているように感じる。Pro Tools がいまだにプロのスタジオ現場でデファクトに留まっている理由は正直私には謎である。Digital Performer はこれまた「DTMステーション」の取材記事ではあったが、カラオケ制作現場の打ち込みツールとして非常に評価が高いらしい。

daw-jones.hatenablog.com

追記 (2019-01-20)

Sleepfreaksでも同種のアンケート調査をやっていたようで、下記記事にて結果が発表されていた。こちらの方が標本数が多く、また実態をよりよく近似している印象を受ける。さらに併用率まで出しているのはユニークな点である。

sleepfreaks-dtm.com

Cubaseが最大シェアである点は両アンケート共に同じであるが、こちらの方は Logic Pro X の健闘ぶりが際立つ。しかしクリエイティブ系でMacユーザが多いことを考えるとさほど違和感はないと思う。Studio One は、DTM Station の調査ほど偏りはないものの、Logic Pro X と僅差で3位とやはりユーザ増加傾向が強く現れている。今年あたりでいよいよ Logic Pro X を追い抜く可能性もあろう。