DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

2019年MIDI検定1級試験の合格者発表

去る8月に実施された2019年度MIDI検定1級試験の合格者発表が昨晩あった模様で、下記の協会サイトにて合格者の受験番号が公表されている:

MIDI検定1級受験番号発表

本年度の合格者数は16名ということになるが、これは絶対数としては平年並という感じである(受験者総数はまだ不明)。私が受験・合格した昨年2018年度の合格者数26名からは大幅ダウンではあるが、これは逆に昨年が例外的に易しかったり分量が少なかったに過ぎない一面もあるかと思う。

上記の合格者発表ページに短めの寸評が掲載されているが、なにやら今回は

スコット・ジョプリンが1902年に発表した「The Entertainer」のアレンジ楽曲でした。4分の2拍子であるため小節数が多くページ数も10枚に及んでおります。

とのことで、昨年の反動かどうかはともかく、やはりボリュームが多くて受験者泣かせだったことは想像に難くない。小節てんこ盛りのスコア10ページは打ち込み作業としては結構キツイだろう(昨年はたったの4ページだった)。仮にパーカッションなどの細かいリズム・セクション編集が加わってくると時間的に相当圧迫されてしまう。実際のスコアは見ていないのでなんともだが、分量的に無理があるようだと途中で投げ出して棄権してしまった受験者も少なくないかもしれない。協会はこうした年ごとの当たり外れをできるだけ平準化する意図はないのか、と怪訝に思ってしまうところである。

ただし一方で、今年のモチーフは、誰もが聴いたことのある、あのあまりにも有名な「スコット・ジョプリンが1902年に発表した The Entertainer」だったらしいので、取っ付きやすかったのではなかろうか。因みに原曲は public domain 入りしているため、スコアはネット上で無償にてダウンロード入手できる。それにしても古臭いという印象は拭えない。

来年はどうだろう、東京オリンピックの開催年に当たるので、何かそれにかこつけたテーマをぶっ込んでくる可能性が高いと予想されるものの(ちょっと安直?)、もちろんピンポイントで当てられる代物でもなく、来年受験される方はとにもかくにもボリュームが少なくなることだけを祈っておいてください(苦笑)。

追記 (2019-12-26)

その後スコアの販売が開始されたことに伴い、譜面の1ページ目サンプルイメージが協会サイトに掲載されていたが、これを拝見する限りではさほど音符が高密度な楽曲ではなかったようだった。

出題者からのメッセージでは、

今回皆さんにチャレンジしていただくのは「多声的」に編曲された音楽
です。これは皆さんが通常親しんでいる「メロディーと伴奏」という考
え方とは少し異なり、並行して流れる複数の単音旋律の組み合わせで旋
律、和声そしてリズムを総合的に表現している音楽スタイルです。
(クラシック以前の音楽はこの考え方が多いと言えますね。) 

と書かれており、いわゆる対位法が大きな主題になっていたことを窺わせる。これは言うまでもなくバッハなどのバロック音楽の特徴だが、一方で "The Entertainer" というラグタイムの名曲をモチーフにしているところが大胆な異種混淆というか、なかなか面白く、取り組み妙味があったかもしれない。