DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

ポリリズムの設定方法 (Studio One)

本記事は一応 Studio One を前提にして書いてはいるが、他のDAWであってもおそらく編集プロセスは同様であろうと思われる。すなわち、簡単なポリリズムの展開方法について、である。

こんなシンプルな原理が今の今までなぜ気づかなかったのか、自分でも不思議な気持ちなのだが、わかってしまえば実に簡単な話である。例えば3拍子と4拍子のポリリズムは、要するに1小節を12個(またはその倍数)のグリッドに分けてしまえば、簡単に編集できる。どうやって12個に分かつかといえば、3連符のクオンタイズ入力グリッドを利用すればよい(下例参照)。

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これに関して大いなるヒントを与えてくれたのは、以下に掲げる菊地成孔氏講座「モダンポリリズム」の講義であった(いくつか抜粋してYouTube上で公開されている)。音楽関連のビデオをYouTubeで渉猟していた最中にまったくの偶然に出会ったチュートリアル動画であるが、これがなかなかわかりやすい上に深く掘り下げた勉強になる。

www.youtube.com

DAWには必ず拍子設定(Studio One の場合は Time Signature)の機能が付いているはずで、これで変拍子などは簡単に編集・挿入できるわけだが、トラック横断的にすべてが一律に変更される。なので、この拍子設定機能を使って、例えばあるトラックは4拍子で、また別のトラックでは3拍子で、といったポリリズムの展開はできない。しかし特にこの機能を使用する必然性はないわけであって、上述のようにクオンタイズのグリッドを自由自在に切り替えれば小節単位であっけなく簡単に編集できてしまう。正にコロンブスの卵である。

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応用すれば、4拍子と5拍子といったポリリズムも難なく実現する(下例参照)。

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菊地氏が指摘するように、現代ポピュラー曲ではほぼ100%と言ってよいぐらい4/4拍子が圧倒的多数を占めていると思われるが、リズムパターンがありきたりになりがちなので、それを打破する一つのアプローチとしてポリリズムは結構創作欲を刺激するのではなかろうか。グルーブ感に豊かな多面性を持たせるテクニックとしても有用だろうと思う。ただし、あんまりやり過ぎるとアフリカ民謡みたいになってしまう罠はあるが。