DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

AI作曲支援プラグイン

最近目に止まった下記記事はなかなか興味深し。

www.dtmstation.com

これはソニーCSLが研究開発中のプラグインで、実はまだ一般市場にはリリースされていない作曲支援ツールだそう。ソニー・ミュージック内部で実験的に使用されているようだが、アウトプットの自動生成プロセスはサーバを介する仕組みになっているので、このままではさすがにまだまだ一般公開は無理でしょうね*1。さりとてサーバを介さないとなると膨大な学習済みデータベース等をどうやってローカルに頒布するか、という点が大きなハードルにはなってくる。

学習用データセットが単純なメロディーやコードといったMIDIデータ単体ではなく、コード進行やオケも含めたある種のスタイルひと塊りをパレットとして食わせている点はユニークだ。逆に生成結果はMIDIデータなので、この辺は一般的なアウトプット形態ではある。そうそう、MIDIはこうしたAI自動作曲分野で主要なインプットかつアウトプットのフォーマットとして当たり前に使われるようになってきているので、MIDI検定の宣伝ではないが、一応MIDIを系統立ててきちんと勉強しておいたのは正解だったと思う。

このツールの利用シーンは、楽曲一作品の完成形を自動生成するというよりも、むしろメロディやコード進行、リズムパターンの断片スニペットをヒントや新規アイデア出しの形でユーザに提供するといった趣旨のようである。これはアプローチとしては正しい方向だろうなとは思いますね。楽曲の素材だけでもいくつかあらかじめ土台が用意されている方が全体の制作は格段に進めやすくなりますからね。

*1:MIDIデータ生成・ダウンロードだけならウエブサービスで提供することも可能でしょう。