ピアノなどの伴奏楽器パートにおける高音部(ト音記号のスコア)と低音部(ヘ音記号のスコア)のMIDIデータをどうやって効率的に作成編集するか、という問題について少し触れておきたい。
DAWで直接編集する場合は、高音部と低音部でトラックを分けるという手法が一般的であろうと思う。その際、出力先のMIDIチャネルは両者ともに同一にしておけば、MIDI検定実技の譜面指定通りにSMFは作成できる。特に、高音部と低音部で音符の運びが大きく異なっているようなスコアの場合、トラックを分離した方が入力しやすい。
これと同様なことをDominoで実現するにはどうするか。運用方法としては、以下の2通りが考えられる。
同一チャネルのポートを分離する
マスター編集ファイル上は同一チャネルだが、高音部と低音部でポートを分ける。これはDAWでトラックを分ける方法と実質的に同じである。
たとえば、下記の例*1では、チャネル3をポートAとポートBに分け、それぞれ高音部と低音部に割り当てて入力している。
なお、ポートを追加して発音させるためには、Dominoでは下図のように、環境設定 > MIDI-OUT において追加ポート(本例ではB)のデバイスと音源定義ファイルを選択設定する。
この設定で書き出されるSMFでは、ポートAおよびBのデータがそれぞれ異なるトラックのデータとして分離されるが、いずれも同一チャネル(本例では3)に割り当てられる。これはトラック分けしたDAWから書き出したSMFと同様と思われる。
同一チャネルに両者のMIDIデータを貼り付けてしまう
MMLではそれぞれ別ファイルでMIDIデータを作成し、Dominoではマスター編集ファイルの同一チャネルへ両MIDIデータを貼り付けてしまう(ピアノロール上でコピペする)。
上例におけるピアノロールのイメージとしては下図のようになる(青が高音部で赤が低音部を示す)*2。本例のように、高音部と低音部でオクターブが十分に離れて両者入り乱れることがなく、また音符運びもほぼ同一である場合にはこの方法でも特に問題はない。