DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

Prophet-5やMIDI生みの親 Dave J Smith 氏逝去

タイトル通りのニュースが飛び込んできてびっくり。

www.itmedia.co.jp

向こうでは先週既報だった模様。

www.synthtopia.com

72歳だったそうだが現代の感覚ではまだまだ現役でやれそうな年齢で突然の訃報に大変驚きました。

氏はなんと言ってもシンセサイザーの名器中の名器と言って過言ではない Prophet-5 の開発者であり、特に80年代のポピュラー音楽シーンに与えた影響は絶大であったと思う。日本ではYMOが多用していたことでかなり名の知れたシンセだろう。ただ当時非常に高価だったので(80年代で1機170万円だったはず)、たとえ製品名は知っていてもアマチュアにとっては雲の上のような存在であり続けていた。近年氏が立ち上げた新会社 Sequential ブランドで復刻版を出したことは記憶に新しい。

あと忘れてならないはやはりMIDI規格の発案者であるということですかね。MIDI普及はRoland創業者の梯郁太郎氏(2017年逝去)の貢献も大きいけれど。以前書いたそれ関連の記事ではRoland社発案の如くメモってましたがどうも最初のアイデアはSmith氏が論文を出していたようです(上記 Synthtopia 記事より引用):

In 1981, Smith presented a paper at the Audio Engineering Society (AES) convention in New York proposing a USI (Universal Synthesizer Interface), as a technical solution for interconnecting electronic musical instruments. With the input of several other companies, Smith developed MIDI (Musical Instrument Digital Interface), and went on to create the first MIDI synth, the Prophet-600, in December 1982. At the January 1983 NAMM show, MIDI was demonstrated as a new standard, when a Prophet-600 and a Roland Jupiter 6 were connected and performed together.

daw-jones.hatenablog.com

MIDI検定の公式サイトはお悔やみ記事でも出してはどうなんだろうか...

MIDI検定3級と2級1次試験の新出題形式サンプル

試験実施形態が教科書持ち込みOKの疑似オンライン化へ移行するに伴い、3級および2級1次の筆記試験の出題形式・傾向がアップデートされることになり、その見本サンプルが公開中である(3級サンプル / 2級サンプル)。

daw-jones.hatenablog.com

前年までの旧試験との一番大きな相違は、文章穴埋め式から正誤問題中心へと出題形式が変わったところだろう。穴埋め式だと理解度に関係なく教科書の記述をほぼそのまま照合すれば即答できてしまうため、ある程度考えさせる問題にするべく正誤選択式に変更したと思われる。このような正誤選択式出題はITベンダー資格のオンライン試験とよく似ている。

なお、筆記試験の山場とも言えるイベントリスト問題については従来から変更がないようである。イベントリスト問題は教科書持ち込みの影響がない100%応用問題なのである意味当然かもしれない。

蛇足: 1級の合格者発表もあり

8月に実施された第13回MIDI検定1級試験の合格者受験番号が公表され、今年の合格者数は9名であった。

受験者総数がまだ未公表なため、合格率の観点から見た難易度は何とも判断つかないが、合格者数10名未満のパターンは過去3回(2013年、2017年および2020年)あって特に珍しい結果ではない。ただ、昨年の合格者数6名はさすがにコロナ禍における例外とみなすべきだろう。

楽曲ジャンルは久々にポピュラー曲だったらしく、個人的な経験上ポピュラーは割と与し易い印象が強い。出題ジャンルは事前に教えてもらえるわけでもなく当たり外れがあるのは致し方ないが、ジャズが来た場合は和声も複雑になりがちで非常に難度が上がる傾向があるように思う。

Studio One: Limiter2使えるのでLoudMax要らなくなった

小ネタですが、結論はタイトルの通りで、無償Prime版からArtist版に上げて授かったご利益の一つ。

Prime版にはLimiter2が同梱されていないため、音割れ防止などのためのマスター音圧調整がなかなか捗らず苦心惨憺した記憶がある。たとえばStudioOneを援用した際は、一旦ステム出力した後、プラグインが使えるWaveform無償版にインポートし、フリーのLoudMaxを入れて乗り切るという貧者メソッド(苦笑)で工夫していた。

daw-jones.hatenablog.com

Limiter2はUI含めてその使い方は概ねLoudMaxと同じですね。基本的にはCeilingとThresholdのパラメータだけ触ればいい塩梅に音圧調整できる。全体の音圧はCeilingにて-1dBとか-2dBという具合にやや抑え気味に設定し、コンプレッサーのかけ具合はThresholdで調節すればよい。Thresholdを低くし過ぎるとダイナミクスが損なわれて波形がいわゆる海苔状態になってしまうのでほどほどに。

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プロだともうちょっと高級なmaximizerを入れたりするのが常套手段だろうけど、個人的にはもうこれさえあれば十分という印象である。

2021年度MIDI検定3級と2級1次試験はオンライン化へ

今年のMIDI検定3級と2級1次試験が先週9月15日より出願開始となったのだが、遂にと言うべきか、ある意味ではコロナ禍のおかげでやっとこさ一般受験がオンライン化された。

MIDI検定3級・2級1次受験案内

これに伴い、試験監督下ではない在宅受験となることを考慮して、出題傾向が若干変更されるようだ:

尚、令和3年度MIDI検定3級/2級1次試験(一般受験)はオンライン試験(ミュージッククリエイターハンドブック持ち込み可)として実施しますので、試験範囲は変りませんが 出題傾向に一部変更がありますので、9月下旬から10月中旬頃までには模擬試験を掲載し、メールにてお知らせ致します。 事前にご確認下さい。

ITの資格試験などでは、内蔵カメラによる監視や検知ソフトのインストールを必須にするなどしてカンニング防止策を講じた上で在宅オンライン受験を認めているベンダーもあるが、さすがにMIDI検定でそこまでのコストは掛けられないということか、敢えて教科書持ち込みを認めてしまった上での試験となるようです。

ただし詳細を拝見すると、オンライン試験とは言うものの、事前に郵送された解答用紙に筆記具記入したものをスマホで撮影、JPGファイルにしてDropBoxに上げるといういわばオンラインとオフラインの妥協折衷案でかえってややこしい受験形態になっており、この種の操作に慣れてないと戸惑う受験者も少なくないのではなかろうか(例えば、Microsoft Forms を使うなどの工夫で完全オンライン化できなかったのか、と問い詰めたい気分だが...)。

令和3年度MIDI検定3級・2級1次オンライン受験案内

9月下旬から10月中旬頃までには模擬試験を掲載、ということなので、公表された暁には、かつての受験経験者として変更点などを分析・指摘してみたいと思う。

Studio One 5.4 Artist版をインストール

早速 Studio One 5.4 のArtist版をM1タイプの MacBook Air に入れてみたが、導入にあたって気づいた点などをいくつか記録しておきたい。今後初めて購入されるユーザの参考になれば幸いである。

購入決済の手続き

英語が苦にならないのであればPreSonusの本家サイトから直接購入しても特に問題はないと思うが、日本国内、というか日本人ユーザであれば通常は代理店MI7のサイトから購入決済する方が無難だろうと思う。

www.mi7.co.jp

今現在MI7の取扱製品の購入決済はすべて Music EcoSystems のサイトを通じて処理する形式になっており、少々面倒だがまず Music EcoSystems のログイン登録をやる必要がある。

無事に Music EcoSystems のサイトに入ってショッピングカートに Studio One のお目当てのエディションを加えるとそのまま決済に進む。なお実際の決済処理はさらにGMOの決済プラットフォームにリダイレクトされて実行することになるので注意。あとカード決済の場合は取引時パスワードが必須であることにも注意する*1

晴れて決済が完了すると、Music EcoSystems よりメールでプロダクトキーが送られてくるので、これは絶対に紛失しないように気をつける。

製品登録とインストーラーのダウンロード

次に、上で購入した製品をユーザ登録しなければならない。ここでは My PreSonus への会員登録が必須となる。すでに無償のPrime版で Studio One を使っていたユーザは会員登録済みのはずなので改めて登録し直す必要はない。

My PreSonus に入って今回購入したアプリケーション等を製品登録する際に、決済後のメールで案内されたプロダクトキーを入力し、自分が本製品の正式なユーザであることを登録する。無事に登録されたら、該当製品のダウンロード・リンクが製品ページ上に表示される。

ダウンロード・リンクの表示域からは、Studio One の本体インストラーと、バンドル対象の音源やソフトシンセ等10個の追加ファイルを落とせるようになっているが、とりあえず本体のインストーラーのみ落として実行すればよいです。

参考までに、各ファイルサイズは今現在以下の通り:

  • 本体インストーラー = 278MB
  • 音源等バンドル品10個の合計サイズ = 6.8GB

全部合わせると7.1GBにもなるので、バンドル品は分けて後日別々に落とすなどの工夫をしてもよいだろう。

本体インストール

上で落とした本体インストーラーを実行時、My PreSonus のユーザー名とパスワード、プロダクトキーの入力を求められ、ユーザとインストール製品の紐付けを認証する。これを通過すれば無事にインストール完了である。

その後、付属バンドル品のダウンロード・インストールを確認実行するウインドゥが開き、自動で落とすようになっているので、My PreSonus のサイトからわざわざダウンロードしておかなくてもよい。しかしもし事前に My PreSonus から落としてある場合は、Studio One 本体からのダウンロード実行はキャンセルし、落としたファイルを Studio One のスタート画面上に drag & drop してやれば一瞬で本体に組み込まれる。

*1:取引時パスワードを失念した場合はカード決済ではなくコンビニ決済を選択せざるを得ない。

macOS版 Studio One 5.4 がM1ネイティブで登場

先日ついに Studio One がAppleシリコンM1のネイティブ対応版としてアップグレード発売となった。今までM1ネイティブの主要DAWとしては、Apple提供の Logic Pro X しか選択肢がなかったため、ユーザにとっては飛び上がらんばかりの朗報、大きな進歩だと思う。同時に、各社ひしめき合うDAW市場で Logic Pro X や Cubase を追撃する気満々のPreSonusの本気度が窺える。

www.snrec.jp

個人的にはとても絶妙なタイミングでの登場で、Logic Pro X を正に入れようかというギリギリのところでセーフだったことに驚いてる。無償Prime版で使い慣れた Studio One のM1ネイティブ版がなかなかリリースされない状況だったので、M1の MacBook Air にはとりあえず Logic Pro X を導入するしかないな、と消去法的に決断する寸前だったからだ。

種々検討した結果、結局今回は Studio One 5.4 のArtist版を入れてみることにした。決断の根拠を列挙すると以下の通りだが、現時点で初心者がAppleシリコン版MacにどのDAWを導入すればよいか決める際の参考にもなろうかと思う。

  • 決め手はなんと言っても価格の安さ(¥10,600)で、プラグイン対応の有償DAWでここまで安いものは他にないと思う。基本的な機能面ではProfessional版と比較して遜色ないため、コスパは群を抜いている。初期にお試しで導入するメジャーなDAWとしては最も相応しいエディションではないか。
  • Artist版は長らくプラグイン非対応で全然魅力がなかったのだが、昨年夏以来VST/AUプラグインをサポートするようになって利用価値が増した。補強したいエフェクトやソフトシンセは別途プラグインで拡張すればよく、小さく生んで大きく育てる式で過剰投資に陥らずに済む。
  • 逆にProfessional版は私のようなアマチュアのカジュアル・ユーザには too much だと思う。値段(正規価格は¥42,800)も張るのだが、何よりあまり使いそうにない(使いこなせない?)機能が多くて勿体無い気がした。抱き合わせになってるMelodyneも個人的には今は要らない。
  • Pro版にはあるがArtist版でサポートされていない機能で個人的に残念だったのは、コードトラック/ハーモニー編集と Note FX ぐらい(必須とまでは言えないがあると便利)。FXとか音源、ソフトシンセ類は有償・無償のサードパーティー製含めてプラグインで補強すればよいので多少バンドルされてなくても困らない。
  • 正直 Logic Pro X と天秤に掛けて最後まで迷った。が、Logic Pro X もある意味では Studio One のPro版同様色々過剰にてんこ盛りのところがあり、あまり使わない機能や楽器、音源その他のループ素材で無駄になることを危惧した。ただ、これだけの機能や音源で¥24,000は破格なので、面倒を省いてとりあえず全部込みで揃えておきたい向きにはオススメです。
  • もし仮にArtist版で物足りなくなったら、Pro版へアップグレードせずに Logic Pro X を追加で入れてしまう、たぶん。Pro版との差額よりも Logic Pro X の方が安い上に、すでに述べたようにPro版は自分にとっては機能的に過剰だからだ。

というわけで、Artist版のインストール/使用体験についてはまた追々書いていきたいと思う。

名器Prophet-5とYMO裏話 (YouTube)

昨年に復刻改訂版として再発売されファンを狂喜させた、アナログシンセの名器である Prophet-5 だが、日本の音楽史上ではYMOとの深い関係を想起する人も少なくないと思う。

www.shimamura.co.jp

そんな方には、以下の動画が大変興味深かったのでご参考までに。Rev1からRev4まで実機を並べて陳列した絵面はちょっと圧巻。今も変わらぬ憧れの楽器ですよね。

www.youtube.com

80年代当時で170万円したから素人の若者がそう簡単に買える代物ではなく、涎を垂らしてただ見てるだけしかなかったわけだが、後年中古品が出回るようになって50万円以下の値段でやっと手が届く範囲となり、ファンが大人買いしてYMO完コピ演奏をYouTubeとかに上げてる動画はよく目にしますね。上記動画主の小林氏もそんなお一人だろうか。

ちょっと驚いたのは、最新のRev4に至るまで生産台数が累計7千台程度だということらしく、流石にこれでは量産型の日本製シンセにビジネスで負けてしまったのも無理からぬと思ったこと。ほとんど受注生産品に近いですね。それでもRev4は日本市場での販売価格が概ね50万円前後なので、部品デジタル化の恩恵か、昔に比べればとても安くなっている。

あと知らなかったのは、YMOにProphet-5を持ち込んだのは実は松武氏自身だったということ。てっきり目ざといメンバーが好き勝手に買い付けて使ってたのかと思い込んでたのだが、初期海外ツアーの実演機も松武氏所有物を持ち込むか現地レンタルと聞いて意外に感じた。

今や50万円程度なら私ごときでも難なく買える値段ではあるが、絶対に買わないですね(笑)。ノスタルジーマーケティングの餌食になるのが嫌だという意地悪い考え方もあるが、経験上ハードはすぐに陳腐化してガラクタになるのが目に見えてるので、自宅で楽しむ分にはソフトシンセでもう十分過ぎるぐらい十分だというのが個人的見解。ハードは基本的にプロ実演家向けだと思ってて、そこに数十万突っ込むぐらいならプラグインにでも追加投資した方がまだマシだと思ってしまう。もちろんこれはあくまで私個人の価値観に過ぎないが。