DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてDTMを楽しむ記録。MIDI検定試験にもチャレンジするなり。

GarageBand補記: マスター処理

GarageBand(以下GB)を使った制作におけるマスター処理について、以下の過去記事に対する補足訂正を兼ねて書き足しておきたい。

daw-jones.hatenablog.com

上記記事で、GBのマスター処理は意外に難しい、というような苦言を書いてしまったのだが、下図に掲示したマスター処理用のエフェクト*1を上手く使いこなせば、少なくとも第1段階の編集処理としては割とクオリティが高い結果を得られるようである。

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  1. Squeeze: 低音強調用のコンプレッサー(低域だけをターゲットとしたマルチバンド・コンプレッサーみたいなものか)。低域が足りない場合はこれをオンにして右に回すとよい。ただし、あまり掛け過ぎるとモコモコしたサウンドになるリスクがある。私は極力使わないようにしている。
  2. Bright: 高音強調用のエキサイター。曇ったサウンドに対し、高域を立たせて張りを持たせる。これ一つで結構いい感じに仕上がるため、非常に重宝すると思う。
  3. EQ: パラメトリックイコライザー。幸いGBの個々の楽器音はそれ自体非常に音質がよく、事前にパンやEQ処理が適度に施されているため、マスター段階で大幅にEQをいじる必要性は私自身はあまり感じられない(もちろん楽曲による)。ここは微調整でも十分かと思う。
  4. Compression: 文字通りのコンプレッサー。楽曲にもよるが、他DAWやLANDRなどによる後処理を想定しているのであれば、控えめにしておいた方がよい。機能的には以下のリミッターとやや重複する。
  5. Limiter: リミッター。主に音割れ防止目的で適当に上げておく。なお、マスター音量は-7〜-8dB程度に下げておいた方が無難である(再生時にマスター・ボリュームで黄色や赤色のメーター表示が出ない程度には下げておく)。これだけ下げておいても、2ミックス書き出し処理では音圧高めに書き出されるようであり、結果的に音圧が低い方へ振れる心配はないと思われる*2

これも意外と言っては上級者に怒られそうだが、マスター処理結果の音質はかなり良い方だと思う。キックなども埋没することなく際立っており、率直に言って Studio One 3.5 Prime版(以下S3)よりクオリティは高いと感じる。

GBは、付属のサウンド・ライブラリでシンセ等今風の音色が数多く揃っており、また一部のAUプラグインも使えるため、EDMなどの制作はS3よりも圧倒的に有利であろう。Drummer機能の援用によりリズムの構築も容易であるから、生産性は非常に高い。

言葉だけで説明してもピンとこないだろうから、お恥ずかしながら実例を示しておきたい。以下はほぼGBの音源音色のみを使ってみた試作品の一例である(ループ素材は不使用)。補助的な2音以外は、リズム含めてすべてGBのシンセ音色であり、軽微な最終マスター処理は Tracktion 6 で実行したものの、実態はほとんどGBの書き出し結果そのものである。拙いながらもGBの潜在力をそこそこ理解できるかと思う。正直S3だけではここまでの制作は無理である。

soundcloud.com

*1:使用する付属のプラグインによって操作パラメータは変わってくるので、あくまで一つの典型例として示す。

*2:メニューより 環境設定 > 詳細 を開くと、「自動ノーマライズ」の項目があり、これをティックしてONにする。デフォルトではONになっている。