テンポ・チェンジとMIDIデータ (Studio One)
以下の過去記事で書いたように、MIDI検定1級の成果物として提出するSMFにはテンポ・チェンジも反映させなければならないが、念のため検証したところ、Studio One とDominoの連携上は特に支障がないことが判明したので備忘録としてまとめておく。
下例のようなテンポ・チェンジを入れたサンプル・ソングを Studio One で作成したとする。
ここで、File > Save As よりファイル種別としてMIDIファイル(.mid)を選択の上で別名保存すれば、ソング(楽曲)全体をSMFとして書き出す*1。その際、テンポ・チェンジはメタイベント(SetTempoイベント)として漏れなく含まれる。試しにDominoで読み込むと、下図の通り Conductor Track に反映されていることがわかる*2。したがって、Domino側でわざわざテンポ・チェンジのデータを再追加する必要はない。
Dominoでデータ表示させると明らかだが、SMFではテンポ・データは Track 0 (= Conductor Track) としてメタイベント専用のトラックに保存格納される*3。メタイベントについては、公式ガイドブックの pp.108-109 に簡単に解説されているが、あまり詳しくない。当たり前だが2級実技でも、楽曲のテンポ設定(冒頭1回のみ)でメタイベントは使っている。
*1:1級のみならず、2級実技における基礎MIDIデータの書き出しもこのやり方で一括出力すればよい。
*2:冒頭最初のテンポ等メタイベントはすべて1小節目の1拍目に揃えて書かれており、SysExメッセージの送信タイミングと重なるが、これは特に問題なさそうである。公式ガイドブックの「セットアップの具体例」pp.110-111 を参照。
*3:SMFの構成要素は大きくヘッダー・チャンクとトラック・チャンクに分類され、メタイベントはトラック・チャンクに含まれる特殊なトラックである。ヘッダーは、SMFのファイルフォーマット種別や分解能などが書かれる。SMFはバイナリー・ファイルなので、実物を容易に目視確認することができない点が学習者にとってはもどかしいところである。