DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

Studio One 3 Prime の MIDI CC 対応について

前回記事の補足訂正。脚注でPrime版はMIDIのコントロール・チェンジ (CC) に再生対応していないようだと書いたのだが、その後の試用調査で概ね対応していることが判明したので、訂正がてら設定方法などをまとめておきたい。なお、以下はあくまでPrime版を前提とした概要である。Professional版では基本的に受信CCの制約がないように見受ける。

daw-jones.hatenablog.com

MIDIのCC対応は Presence XT の問題

MIDIのCC受信対応はDAW本体ではなく、発音させるインストゥルメント側の問題である。これはおそらくどのDAWでも当てはまる注意点だと思う。したがって、今回試用対象とした Studio One 3 Prime 版の場合は、内蔵音源である Presence XT の機能と設定に依存する。

なお、Tracktion 5 など外部プラグインを使えるDAWであれば、各楽器プラグイン側の問題となる(たとえば Synth1 のケースについては下記の過去記事参照)。

daw-jones.hatenablog.com

対応するCCとその他のMIDI制御データ

対応するMIDI制御データの範囲に関しては、Automation パネルを開くと一目瞭然でわかる(下図参照)。なお、最新版の Studio One では、MIDI制御データとその他DAW・音源独自の自動制御データは区別されずに同じ編集ペイン上で編集可能である。

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対応するCCをまとめると、以下の4つである:

  • Modulation (CC#1)
  • Breath Control (CC#2)
  • Expression (CC#11)
  • Sustain/Hold1 (CC#64)

CC以外のMIDI制御データでは Velocity と Pitch Bend に対応するが、これは至極当然であろう。

ユーザ側での追加設定が必要なCC

Sustain を除く他の3種については、ユーザ側で追加の受信設定が必要となる。すなわち、モジュレーション・マトリックスマッピング定義である。

例えば Expression の場合は、通常は下例の通りに "Amp - Level" にマッピングすれば所望の効果を得る。ここでスライダー*1を右に振っておかないと反応しないので注意する(デフォルトの中央位置のままでは受信反応しない)。

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モジュレーション・マトリックスの詳細については、Reference Manual の第14章 Built-in Virtual Instruments における Presence XT の説明のうち、最後の方の Modulation Matrix の節(pp.267-268)を参照されたい。

以下の過去記事も参考までに。

daw-jones.hatenablog.com

Presence XT のチュートリアル

Presence XT は、シンセおよびサンプラーエフェクターが一つに合体したような多機能音源なので、最初からマニュアルと首っぴきでは消化不良を起こすだろう。

これも英語資料になってしまうが、短時間で概要を把握するには以下のYouTube動画が非常に参考になると思う。

www.youtube.com

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Studio One 3 Prime をMIDI検定用DAWとして使う

以上の通り、PBはもちろんのこと、少なくとも使用頻度の高いCCには対応できる。これならMIDI検定実技用のDAWとしては使えそうである。これ以上は長くなるので、具体的な使用方針については稿を改めて書くことにしたい。

*1:受信データに対する音色の反応度合いを決める。右に振れば正比例、左に振れば反比例となる。