DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

MIDI検定2級練習曲(2019年2月期)を見る

師走の慌ただしさでつい更新が滞ってしまったが、冬季休暇に入ったところで年末恒例で公開されるMIDI検定2級実技試験練習曲をちょっとレビューしてみたい。

1級到達後はMIDI検定ネタはもう要らないかな、と思ってはいたものの、個人的なブラッシュアップも兼ねつつ、興味本位と多少の懐かしさを交えて簡単な解説を書こうと思う。今回受験される方々のお役に立てれば幸いである。

MIDI検定2級2次検定試験 練習曲スコア及びmp3掲載

練習曲 No.1

今回の練習曲セット中ではもっとも標準的なレベルの楽曲だと思われる。

定番のCC#1とCC#11が盛り込まれている上に、ベロシティに基づく強弱表現、ピッチベンドを使ったスクープやハンマリング・オン等お馴染み必出テクニックも全部入っている。

ある意味では2級実技のメルクマール的楽曲と考えられるので、受験を検討される方は本曲を難なくこなせるか否かで今回の実技受験に進むかどうかを判断されるとよいと思う。要するに最低限度本曲レベルは完璧に制作できる必要がある。

なお、シンセリードとベースのベンドレンジが"12"指定となっている点は要注意である。協会提供のSMFテンプレではベンドレンジのデフォルト値は"2"なので、両トラックのセットアップ値は修正した上で、ピッチベンド未使用の他トラックからはベンドレンジ設定のメッセージを削除しておく。

練習曲 No.2

途中で転調が入るのでやや難しい。C maj から Eb maj への転調だが、転調後にやたらと臨時記号ナチュラルが出てくるのでノートミスのリスクが飛躍的に高まる。打ち込み地獄の楽曲と言えるかもしれない。本番でこの手のパターンが出てきたら、ノートミスがないかどうかの見直しを繰り返しやる必要があろう。

セットアップデータにおいてどのトラックもベンドレンジの指定が記載されていないということは、デフォルト値の"2"を使うということになる(ピッチベンドを使用するトラック、すなわちフルートとベースに対して)。

練習曲 No.3

今回の練習曲セット中では一番難度が高いと思う。

まず、拍子が5/4でスタートすることに留意する。それが途中で3/4に変わるところも要注意である。こういう二重の意味で変拍子の楽曲は私が知る限りではおそらく今回が初出ではなかろうか。

さらにややこしいことに、途中で2回転調する。すなわち、G maj > Bb maj > C maj と変わるが、最後の C maj 転調は拍子の変更と同タイミングである。練習曲No.2と合わせて考えるに、おそらく今回の本番課題曲では間違いなく転調が盛り込まれていると考えられる。

ベンドレンジに関しては練習曲No.2と同様である。

練習曲 No.4

2級にしては珍しく和風な楽曲だが、さほど高度なテクニックが要求されるわけでもなく、割と標準に近いレベルだと思う。音数が少ないからむしろ楽かもしれない。

本曲でまず肝となるのは、尺八のパートで多用されているピッチベンドを使ったポルタメント表現である。ベンドの上げ下げタイミングを音符のタイミングに合わせて正確に打ち込む必要があり、神経を使うところである。

変わり種では太鼓の音色 (PC=117) をパーカッションとして使用している点が目を引くが、これはMIDIのドラム・チャネルとしてではなく通常音色チャネルとして扱えばよいので、なんら難しくはない(補足事項にも記載あり)。

なお、今回は上記太鼓とドラムのデュレーション(ゲートタイム)を全ノート 10 tick で揃える旨の規定があるので、これを守らないと減点対象となる。ドラムのデュレーションに関しては他の練習曲についても同様の規定が適用されるから要注意である。