AWS Solutions Architect Associate を取得
音楽とは直接関係はないのだが、無理やりこじつけるならば盆休み期間中に試しに入門した algorave / live coding に多少は関係してくるかもしれない、という密かな期待も込めつつ、先月末に AWS Solutions Architect Associate (以下SAA)の認定試験に合格したので(スコア820/1000点)、せっかくだから軽く体験談を書いておこうかと思う。
先月書いたように、今のところ live coding の環境設定はテクニカルに少々ややこしいことになっているので、クラウドに上げた環境をそのままお手軽に利用するとか多人数で共有したり、リモート接続で共同ライブ・セッションをしたり、などというクラウド活用の動きが今後活発化する可能性はあるだろう。
さて、SAAであるが、巷には受験体験記が山ほど溢れている中、私ごときが新たな知見を加える余地は小さいかもしれないが、ごく普通の初心者クラスの受験者が最小費用で実践した一つの典型アプローチとして参考にはなるかと思う。というのも、Qiitaなどで数多く披瀝されている受験体験記には、準備期間1ヶ月とか極端な場合には1週間といったどちらかと言えば例外的ケースが目立っており、一般的な未経験者・初心者にはあまり参考にならないと思ったからである。
まったくの初心者だった私の場合、単純に延べ期間で言えば5ヶ月程度の時間を要した。圧縮すれば実質的には2ヶ月ぐらいだろうと思うが、やはり仕事をしながらということになると普段の平日はなかなかまとまった学習時間を確保できず、ずるずると3ヶ月以上の期間は見込まざるを得ないのではないかと思う。
Udemyの講座活用が最短距離コース
学習期間の短縮には、Amazonその他業者主催のトレーニング・コースを受講するというのも一つの手である。しかし、それなりの高額出費を覚悟する必要があるため、なかなか個人ではおいそれと手を出せないし、そもそも費用対効果の面でどうしても疑問符が付く。その代替手段として非常に安価かつ有益であったのがUdemyの各種講座であったことは特筆しておきたい。
私が受講したのは以下の3講座で、あとは下記に挙げる日本語教則本を除けば他は何も利用せずに済んだ。
これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(初心者向け21時間完全コース)
これは結構定評のある試験対策講座で、日本語では唯一ではないかと思う。初心者にはありがたいハンズオン*1が充実しており、最初の取っ掛かりとしてはベストな講座と思う。
ただし、振り返ってみれば「これだけでOK」というわけには行かなかったので、他講座との併用を推奨する。付随サービスの紹介が不十分であったり、要点が整理し切れていない側面も否めず、どれか一つで良いから別の講座で補強する必要があると感じた。
付録のクイズや模擬試験問題はやや重箱の隅を突き過ぎた設問が多く、高得点を取れずともそれほど気にする必要はないと思う。
Ultimate AWS Certified Solutions Architect Associate 2019
個人的にはベスト講座であった。英語が苦にならない受験者には是非オススメしたい。上記「これだけ」講座ではよく理解できなかった要点などが本講座で明快になったところも多々あった。
スライド資料の要点整理が非常に簡潔かつ明瞭に綺麗にまとまっている。違いが紛らわしい各種AWSサービスの比較なども丁寧に網羅されており、痒いところに手が届く講座と言える。当然ながらハンズオン実習やデモも非常に充実している。
振り返れば、本講座最後の付録の模擬試験で合格基準に達すれば、本番でもおそらく大丈夫であろうという感触がある。
AWS Certified Solutions Architect Associate Practice Exam
合計6回分の模擬試験問題集。模試問題だけを集めた講座は実は山ほどあるのだが、これは比較的解説や資料リンクが充実している方だと思う。
ただ、振り返ってみればこれは特に受講の必要はなかった。というのも、ボリュームが多くて取り組む時間の捻出に苦労したことと、また問題のレベルがどちらかと言えば過剰に重箱の隅を突くもので本番よりも難度が高過ぎる印象を受けたからである。
おまけの教則本
定評のある日本語教則本は何冊か出回っているが、私が使ったのは以下のいわゆる「黒本」というやつである。
徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト ? アソシエイト教科書
- 作者: ??部昭寛,宮?光平,菖蒲淳司,株式会社ソキウス・ジャパン
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2019/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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言わずもがなだが、読者のレベルや相性があるので、教則本は書店で手に取ってみて吟味選定することを勧めたい(私はそうしなかったので反省)。なので、上記黒本が万人にとってベストだというつもりは毛頭ない。
黒本に関して個人的な意見を書くとすれば、
- 私がそうだったのだが、入門者がいきなり黒本を読んでもおそらくチンプンカンプンでほとんど頭に入ってこないと思われる。上記Udemyの講座と並行で復習に用いるのがベストであろう。
- 章立ては、EC2やVPCといった各サービスごとではなく、AWS Well-architected Framework の5本柱に沿った構成となっていて、重複が多い。ここは読者の好みが分かれるところだと思う。
- Kindle本ではなく紙の書籍を推奨する。私は自宅外での通読に配慮して電子書籍にしたのだが、用語検索・参照がままならずにとても苦労した*2。今後の事典用途なども考えると、紙の書籍の方がよかった。
これも振り返ってみればの話だが、結局のところ黒本はあまり必要ではなかったというのが正直な結論である。もちろん他の教則本だとまた違った感想になるかもしれない。