あってもよさそうなのに、意外とDAWに搭載されていない機能として、異なるソングを跨いだトラックの丸ごと複写機能がある*1。「丸ごと」というのは、使用インストゥルメントやエフェクトおよびそれらの設定すべてを含む。
要するに、別の曲で使った特定トラックの音源音色設定をそのまま使用するか、もしくはコピーして微調整の上で流用したい。なお、MIDIイベントは楽曲毎に書き換えることがほとんであるから特に複写しなくともよい。
この種のニーズはプロアマ問わず結構あると思うのだが、果たしてどうだろうか。私の場合、自主制作もさることながら、たとえばMIDI検定実技で出題・使用頻度の高い音色とエフェクト設定の組み合わせは使い回しできれば大幅に省力化できるメリットがある。
Studio One (Prime)
残念ながらサポートされていないようである。
なお、Studio One では一応複数ソング・ファイルを同時に開いて(というか画面を切り替えて)編集可能ではあるため、あと一歩という感じだが、将来的なバージョン改訂アップグレードで対応してくれることを期待したい。
追記 (2018-05-04)
ややまどろっこしい方法ではあるものの、コメント欄にて解決策の指摘を受けたので、以下の補足記事をご参考までに。
GarageBand
そもそも複数のソングファイルを同時に開いて編集することはできない。
ちなみに上位版の Logic Pro X では、別のソング・ファイルからトラックの設定データのうちで欲しいものだけ絞り込んで取り込む仕組みが搭載されているようである。
Tracktion 6
対象となるトラックを選択状態にしたまま、通常のコピー&ペイスト操作で簡単に別ソングのトラック・データを文字通り丸ごと複写できる。MIDIイベントが入っている場合はそれも含めて全部転写できる。異なるプロジェクト間であっても同様である。
この辺のUIは Tracktion が抜群に洗練されているように思う。同時に開いた複数ソング・ファイルはタブ表示されるので、切り替えもスムーズである。
タブ表示含め、同等の複写機能は Studio One や、せめてもの Logic Pro X には欲しいところである(GarageBandまでとは言わないまでも)。