DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

Waveform Free 版が公開へ

無償版の公開は年初の業界イベント NAMM 2020 ですでに発表されてはいたようだが、Tracktion社製DAWである Waveform の無償バージョンがついにダウンロード可能となった。

www.tracktion.com

Waveformのバージョンが10から11へメジャー・アップグレードされたことに伴い、製品ラインアップが見直され、無償版はこれまでの Tracktion 7 から Waveform Free 版に置き換えられた。Waveform Free 版から有償フルバージョン(Pro版)へはスムーズに移行できる構成のようだ。これでTracktion社のDAW製品群から発祥ブランドである "Tracktion" が消滅したことになる。

bedroomproducersblog.com

私も早速自分のMacに落としてみたが、基本的なUIや操作ワークフローなどはTracktionと顕著な違いはないように見受ける。一つ大きな相違点としては、ミキサー・コンソール表示が可能となったところである(下図参照)。サード・パーティー製のプラグインは Tracktion 7 同様に組み込み使用可能であり、この点は同じ無償導入版である Studio One Prime に比べてアドバンテージがある。

f:id:daw_jones:20200321184208p:plain

その他、ちょっと試してみて個人的に気づいた点などを以下に述べる:

  • 導入環境上すでに Tracktion 7 を入れていた場合、プロジェクトやプラグインの構成データなどはそのまま引き継いでくれる。
  • ただし、プロジェクト・ファイルは Tracktion 7 とWaveform では互換性がなく、Tracktion 7 のプロジェクトを開こうとすると、Waveform 形式に変換するかどうか訊かれる。一旦 Waveform 形式に変換すると Tracktion 7 では読み取れなくなるようなので注意を要する。 また100%忠実な変換を保証しているわけでもないようなので、旧 Tracktion 7 上で重要な制作資産を抱えている場合は、Tracktion 7 をuninstallしないでそのまま Waveform と並存使用した方がよいだろう。
  • EDMやロックバンドなどの何種類かのテンプレートを参照・流用できるようになった(上例はEDMのテンプレを開いて微修正しているところ)。GarageBandのそれに近い。
  • 付属音源がおまけで利用できるようになった。減算方式アナログシンセとしては4OSC(フォーオスク)が、またドラム・サンプラーとしては Micro Drum Sampler が使える。4OSCはシンプルながらも多彩な音色合成を可能にする能力を秘めており、使い倒せばシンセはこれだけでも意外に十分かもしれない。

www.youtube.com