以下記事の続き。今回は練習曲No.2を取り上げる。
練習曲No.2
2級練習曲では初めてスウィングの拍子が題材となった*1。その点を除けば、音数も少なくむしろ易しい方だと思う。
スウィング
本曲は、以下の指示解釈通り、8分3連のスウィング化100%を適用することになる*2。基本的には、8分音符が出現する箇所だけを丁寧にスウィングのクオンタイズを適用していく。8分三連符を含めてその他の音符はそのままでよい。
このスウィング化編集はほぼ間違いなく本番課題曲の大きな出題テーマになると予想される。したがって、やり方はどうあれ必ず対応できるように、利用するDAWの入力仕様や設定などを今一度確認しておくに越したことはない。
なお、スウィング一般に関しては、すでに以下の記事にて研究済みであるから繰り返しは避ける。あえて再度強調すれば、クオンタイズの結果として発生しうる意図せぬノートの重複には十分気をつける。
8分三連符
スウィング調の一環として当然ながら8分三連符が多く目につく。三連符はそのまま三連符として入力し、スウィングのクオンタイズは適用しないことに注意する(スウィング自体が三連符化の意図を含むため)。
なお、Studio One で8分三連符に対してスウィングのクオンタイズを適用すると、連符2音目に当たるノートのタイミングが3音目のタイミングに合わせて移動させられる(位置がずれる)ので要注意。
オクターブ調整
ストリングズは全小節に渡って 8va の指示があるため、記譜よりも1オクターブ上げてノートを入力する。
これは、一旦記譜通りに入力してからトランスポーズで一括処理する方が間違いがないと思われる。
レガート
ストリングズではほぼすべてのフレーズにレガートが掛かっているので、その範囲内でゲートタイムはテヌート扱い(音価100%)になる(レガート最後の音符のみ音価の90%程度)。
強弱表現
これもストリングズのみだが、ベロシティを使った強弱変化がある。DAWなどでは直線描画ツールを使って対象範囲内の音符のベロシティを編集すれば特に手間はかからない。
コントロール・チェンジ
コントロール・チェンジは CC#1 Modulation と CC#11 Expression の両方が出てくる。いずれも定番中の定番で、特に難しくはない。CC#11は次のノート発音前に127に戻しておく点が要注意。
ピッチベンド・チェンジ
ハーモニカのスクープ表現のみで、これは練習曲No.1に同じ。ベンドレンジは特に何も指示がないため、デフォルトの "2" が前提となる。
*1:正確に言うと、私個人は2014年2月期までしか遡って検証できていないので、新制度に切り替わって以降の2012年と2013年にかつてスウィングが出題されたかどうかは不明である。
*2:ゲートタイムに関連する打ち込み方法の詳細については、協会サイトの補足事項解説を参照。