GarageBand(または Logic Pro X)付属のループ素材は、種類がとても豊富な上に音質も良いので、やろうと思えばループ素材の組み合わせだけでいくらでも楽曲を制作することができるほどだが、素材のクオリティに加えて特筆すべきは、楽曲のキー設定に合わせて自動転調する機能が備わっていることである。これは非常に使い勝手がよくて重宝すると思う。
下例の通りに楽曲のキーを設定しておけば、各ループ素材もそれに合わせて試聴時と貼り付け時両方ともに自動転調してくれるため*1、いちいち個別の素材・リージョンごとに転調編集を適用する手間が省略できる。たとえば Studio One の場合は、楽曲全体のキー設定であるとかトランスポーズ・トラックという概念と機能がなく、各イベントごとの調整になるため、編集がいささか面倒である*2。
ループ素材の転調は、たとえ楽曲途中で転調が入る場合でも自動的に対応してくれる。GarageBandの場合、トランポーズ・トラックで途中の転調を適用すると、そのタイミングに合わせてループ素材のリージョン途中から自動的に転調してくれる。
こうしたループ素材の応用力という点では GarageBand または Logic Pro X は他のDAWに比べて図抜けた使い勝手の良さがあり、DAW選定の際の重要な比較材料になるのではないかと思う*3。