DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

MIDI 2.0 改訂の動向

MIDI規格のバージョン2.0への改訂は、昨年に狼煙が上がって以降今年に入ってから本格化しており、その動向については本ブログでも随時追跡してアップデートを図ってきた。

daw-jones.hatenablog.com

この改訂過程で検討されている次期規格仕様に関しては、つい先日米国のMIDI規格管理団体 (The MIDI Association) から比較的詳細な解説記事が発表され、一部のメディアでも報道されていたようである。 

www.midi.org

英語が苦手な方は、これをレビュー解説している DTM Station の下記記事が参考になるかと思う。

www.dtmstation.com

具体的な仕様に関しては、昨年来明らかにされていた改訂方針を大きく更新するようなサプライズは特になかったように見受ける。Property Exchange とかベロシティなどの解像度を大幅に拡張強化する話などは既に今年の1月段階でも取り沙汰されていた。

なお、日本国内のMIDI管理団体であるAMEIからは今回特段の報告はなされなかった(6月2日時点)。ついでながら無関係な愚痴だが、AMEIは米国MMAを見習ってそのウエブサイトをもう少しモダンなブログ・ベースのデザインに修正した方がよいのではないか。MIDI検定のサイトもそうだが、前世紀の遺物みたいな作りでちょっと萎える(阿部寛ホームページばりに軽快なのはよいとしても)。

ところで、MIDI 2.0 の実装時期がいったいいつ頃になるのか、という点はユーザとしても非常に関心あるところだと思うのだが、元記事では下記の通りにコメントされている(強調筆者):

The foundational specification, MIDI-CI has been published and is available for download. Other key MIDI 2.0 specifications are nearing completion in the MIDI Manufacturers Association. But it will take several years to write numerous Profile and Property Exchange specifications to follow.

The MMA put out a press release at the beginning of 2019 that listed just some of the companies that are already prototyping or making plans for products to come. Those that agreed to be mentioned include Ableton/Cycling '74, Art+Logic, Bome Software, Google, imitone, Native Instruments, Roland, ROLI, Steinberg, TouchKeys, and Yamaha.

However, we do not expect any MIDI 2.0 products to be released in 2019. For MIDI to be fully useable, the industry needs devices, applications, operating systems, and DAWs to support these new specifications. It will take time for a whole system of devices to be available.

当然ながら今年中に MIDI 2.0 compliant な製品が市場に出てくるわけもなく、普及と浸透には「数年」はかかる見通しとなっている。個人的には、やはりメジャーなDAWがどこまでどう対応していくのか興味を持って行く末を見守っている段階ではある。

またMIDI検定に関しては、今日の段階でAMEIから何かしらのアナウンスがあるわけではないのだが、将来的に学習課程と試験内容が更新されることは必至であろう。実技が2.0準拠となるのは随分と先のことになると思うが、MIDI関連の知識問題(筆記試験)については先取りして案外早い時期に改訂される可能性は十分想定される。