DAW悪戦苦闘記

DAWやMIDIを通じてちまちまとDTMを楽しむ記録+MIDI検定1級到達記

MIDI

MIDI検定1級課題曲をDominoで再生

MIDI検定1級課題曲の制作では、Studio One で作成した楽曲データのSMFにセットアップ・データを付け足し、Dominoで微修正を加えて完成形のSMFを書き出す*1。2016年課題曲を例にすれば、最終的には以下のようなMIDIチャネル構成とイベントリスト(一部)が出…

PythonでSMFを操作する (7) 不要メッセージの削除とファイル保存

前回からの続きだが、PythonによるSMFの編集加工シリーズは一旦これで終了とする。ここまでの一連の操作を経た修正後のSMFをDominoに読み込み、再生してみた結果については稿を改める。 daw-jones.hatenablog.com 不要メッセージの削除 前回まで放置したまま…

PythonでSMFを操作する (6) 移調

前回の続き(注: かなりマニアックです)。操作要領はほとんど同じである。 daw-jones.hatenablog.com ノート番号と移調 MIDIでは音程をすべて半音単位のノート番号で管理しているので、移調・転調については各メッセージのノート番号を一斉に同一インターバ…

PythonでSMFを操作する (5) MIDIチャネル変更

前回の続き(注: かなりマニアックです)。今回は既存メッセージのMIDIチャネルを変更するが、要領は前回のデルタタイム修正とほぼ同じである。 daw-jones.hatenablog.com Studio One で書き出したSMFの大きな問題 Studio One (Prime版)で Presence XT を使…

PythonでSMFを操作する (4) デルタタイム修正

前回記事の続き(注: かなりマニアックです)。今回は、前回未解決であった最初のノートオン・メッセージのデルタタイム、すなわち発音タイミングをシフトして修正する。 daw-jones.hatenablog.com データ挿入に伴うズレ 途中挿入したセットアップ・データの…

DominoでSMF保存した場合の注意点

今になって気づいたのだが、Domino上で各トラックの音色を選択設定した後にSMF保存すると、Domino独自の余計なバンクセレクトMSB/LSBメッセージが挿入されてしまう。 MIDI検定実技では、2級と1級を問わず、レギュレーション違反で減点対象になる可能性がある…

PythonでSMFを操作する (3) セットアップデータ挿入

前回の続き(注: かなりマニアックです)。前準備は済んでいるものとする。 daw-jones.hatenablog.com セットアップデータの生成 セットアップ用のデータは、コントロール・チェンジとプログラム・チェンジを組み合わせた一連のメッセージ・リストとして定義…

PythonでSMFを操作する (2) SysEx挿入

前回記事の続き(注: かなりマニアックです)。今回はトラック1の1小節目冒頭に所定のSysExメッセージを挿入してみる。 daw-jones.hatenablog.com 下準備 midoパッケージのインポートと、Studio One から書き出したサンプルのSMFファイルをmid変数に読み込む…

小岩井さんのMIDI検定1級合格体験記事

今朝上げた記事の補足。 daw-jones.hatenablog.com たまたま同タイミングで、小岩井ことりさんのMIDI検定1級合格関連の大変興味深いインタビュー記事が「DTMステーション」に掲載されていたので参考まで。トップ合格であると同時に、2次審査では出題者の外山…

MIDI検定1級2016年課題曲制作の感想など

掲題の件で、ミックスダウンとマスター編集後のWAVファイル出力まで一通りやってみての感想などを書き記しておき、今後のワークフローの改善などに役立てることとしたい。 曲調などの雑感 2016年課題曲は、はっきり言ってジャズ・ブルーズの名曲 "Summertime…

譜面解釈とMIDI表現 (7) ダブルベース

ダブルベース(コントラバス)の奏法は、弓を使う方法(アルコ)と、弦を指で弾くピチカートの2種類があり、2016年のMIDI検定1級課題曲でも1箇所だけ使い分けが必要である(下記譜例参照)。なお、ダブルベースの楽器自体の解説については下記動画に詳しい。…

譜面解釈とMIDI表現 (6) グリッサンド

グリッサンド (glissando) も管楽器を中心としてMIDI検定1級課題曲ではよく目にする表現だと思う。2016年課題曲ではバスクラリネットに1箇所だけ出現する(下例参照)。 クラリネットのグリッサンドは実際には以下の動画のような演奏となる: www.youtube.com…

譜面解釈とMIDI表現 (5) ホルンのゲシュトップフト奏法

2016年のMIDI検定1級課題曲において、もっとも特異な音色指定は、ホルンのゲシュトップフト奏法である。 作曲者からのメッセージに簡単な解説が書かれていたが、私を含めて管楽器に馴染みのない人にとってはこれだけでは皆目見当がつかないので、YouTubeに多…

譜面解釈とMIDI表現 (4) トリル

MIDI検定1級課題曲では、トレモロ (tremolo) と並んでトリル (trill) も頻出表現の一つである。2016年課題曲では、ピッコロ等管楽器パートに1箇所出現する(下例参照)。 通常は、親音符からスタートして2度上の音*1と素早く交互に弾き、最後のみ3連符にして…

%表記から値(バリュー)表記への変更 (Studio One)

Studio One の知っているようで知らないかもしれない小技について2回目。 Studio One でのベロシティやコントロール・チェンジなどの編集において、レベルの表記はデフォルトではパーセント単位(0%〜100%)になっており、MIDI検定等への対応で苦慮する場合…

譜面入力にMuseScoreを使う

MIDI検定1級課題曲のスコアは、残念ながら紙の印刷物のみでPDFファイルでは提供されないため*1、本ブログで譜例を作成する際には別途スコア入力ソフトを使って再現している。ここで私が愛用しているのは、オープンソースでフリーの MuseScore である。 muses…

譜面解釈とMIDI表現 (3) トレモロ

2016年のMIDI検定1級課題曲では、バイオリン・パートでトレモロ (tremolo) が2箇所出現する。譜面上は、下図のように、基音に対して斜線を何本か追記することで音符の刻み方(速さ)が指定される。下例の場合、追記斜線2本含めて旗が合計3本ということになる…

PythonでSMFを操作する (1) 下準備と読み込み

今回より、少々マニアックにはなるが、PythonによるSMFの加工編集処理について何度かに分けて(五月雨式に)書いていく。なんでそんなことするの?、という根拠については以下に記す。なお最初に断っておくが、以下の話はあくまでMIDI検定実技対策上の要請で…

譜面解釈とMIDI表現 (2) 変拍子の対応 (Studio One)

MIDI検定1級課題曲では変拍子は当たり前のように頻出しており、たとえば昨年の2016年課題曲では、43小節目の1小節だけ4/4から6/4に拍子が変わっている*1。 因みに2級実技では、転調は2016年2月期の練習曲で1曲盛り込まれているが、変拍子については私が知る…

譜面解釈とMIDI表現 (1) ハープのアルペジオ

今回から何度かに分けて(一気連続せずに五月雨式になるが)、MIDI検定1級課題曲における上級レベルの譜面解釈とそのMIDIデータによる再現方法に関し、1回1トピック限定で備忘録というか事典みたいな感じでまとめていきたいと思う。当然ながら、今までにやっ…

オーケストラと定位設定

MIDI検定1級の2016年課題曲のようなオーケストラ曲を制作する場合、各楽器パートの定位(パンポット)をどう設定するか、は一つの大きな課題となる。 常識的には、オーケストラの通例の配置パターン*1に合わせるのが無難だろうと思う。ちょっと聴いた感じで…

MIDIデータの移調方法 (再考)

以下の前回記事では、Studio One 側でMIDIデータ自体を移調編集してしまう方法を書いたが、効率的なワークフローの観点からはこれはあまり好ましくない方法だと判明したので、別法に改めたい。 daw-jones.hatenablog.com daw-jones.hatenablog.com Studio On…

MIDIデータの移調方法 (Studio One)

以前の記事でも少し触れた通り、MIDI検定1級では様々な移調楽器への対応を迫られるため、これについて検証、確認しておく。 daw-jones.hatenablog.com MIDIデータの移調方法 Studio One のみならず、多くのDAWでは移調対策として、 再生時に自動的に移調する…

テンポ・チェンジとMIDIデータ (Studio One)

以下の過去記事で書いたように、MIDI検定1級の成果物として提出するSMFにはテンポ・チェンジも反映させなければならないが、念のため検証したところ、Studio One とDominoの連携上は特に支障がないことが判明したので備忘録としてまとめておく。 daw-jones.h…

MIDI検定1級課題曲セットの中身概観 (4)

前回からの続き。今回は、提出物3の作業レポートに関して概要を見る。なお、本丸のスコアについては制作実習に入ってから細かくポイントを洗い出していくつもりなので、1級課題曲セットの概観シリーズは今回で一旦締める。 daw-jones.hatenablog.com 作業レ…

MIDI検定1級課題曲セットの中身概観 (3)

前回の続きで、制作規定書の注意点をチェックする。今回は、提出物2(2次審査用オーディオCD)に関して。提出物3(作業レポート)については次回に触れる。 daw-jones.hatenablog.com 2次審査は聴感審査と芸術評価のみとなるため、1次審査と違ってあれこれと…

MIDI検定1級課題曲セットの中身概観 (2)

前回の続き。今回は制作規定書のうち、提出物1(1次審査用MIDIデータ)に関する規定項目についてチェックする。 daw-jones.hatenablog.com システム・セットアップデータについて 冒頭1小節目のセットアップ・データについては、いくつか細かい指示があるも…

MIDI検定1級課題曲セットの中身概観 (1)

先日に2016年第8回MIDI検定1級課題曲セットを入手したので、紹介がてら何回かに分けてドキュメントの概要や審査ルールなどをざっと確認しておきたい。なお、著作権等の事情により文書丸ごとをスキャンしてアップロードすることは控える。 入手方法など 入手…

MIDIによるギターのストローク表現

MIDIを使った主たるギター奏法シミュレーションのうちで、ミュートとチョーキング(ベンディング)、ハンマリングオン(またはプリングオフ)の3種はすでにMIDI検定2級の練習曲でカバーされている。しかし、もっともギターらしい奏法とも言えるコードストロ…

MIDI検定実技対策のワークフロー

MIDI検定試験の実技対策用ワークフローが概ね固まったので、2級と1級あわせて下記の通りにまとめておきたい。 Domino と Studio One 3 Prime(以下S3)および Tracktion 5(以下T5)を組み合わせた手順で少々込み入ってはいるが、全工程で無償ツールを活用し…